戰時に於ける聽取訓練:東亞共榮圏と放送
【ラジオ年鑑. 昭和16年】日本放送協會
【ラジオ年鑑. 昭和16年】日本放送協會
【ラジオ年鑑. 昭和16年】
[時局と放送事業] p21-23/360
戰時に於ける聽取訓練 p23/360
放送の完全なる成果を得るためには
ラヂオの聽取訓練が問題となる。
獨逸に於ては
平時より政府當路の發表乃至聲明は
全國的に共同聽取せしめ
政策の徹底に資して來たのである。
之は當時一部の民主々義國家から
嘲笑をあびたものであるが
今日にして如何にこの訓練が
不可缺のものであつたかをさとる處があらう。
我國に於ても同樣如何にして
大衆をしてラヂオに親しましめるか、
如何にして放送聽取の習慣を作るかが
研究を要する重大課題となつた。
東亞共榮圏と放送 p23/360
日本に於ける放送事業は内地一圓は
社團法人日本放送協會、
臺灣は臺灣放送協會、
朝鮮は朝鮮放送協會の
夫々の獨立經營であり、
關東洲を含む滿洲一圓にあつては
滿洲電信電話株式會社が
之が經營に當つてゐるが、
最近は北支に於て
北京中央廣播電臺を中心とする
華北廣播協會の設立があり、
又 中南支に於ける各放送設備に對しては
日本及臺灣放送協會より夫々
多數の職員を派遣して
その運營に協力してゐるのである。
而して我が日本放送協會に於ては
日、獨、伊の三國同盟を契機とする
國家新體制の一翼として
國土國防衞上の見地から
放送系統と軍管區との連絡を、
有線放送の實施を計畫する外、
海外放送の劃期的の擴充を圖り、
又 臺灣、朝鮮、滿洲、華北、中南支を結ぶ
東亞放送網の連環を以て
新東亞共榮圏の推進力となり以て
國家的機關としての使命遂行に
昭和十六年 ラヂオ年鑑
定價金一圓三十錢
昭和十五年十二月二十五日印刷
昭和十五年十二月 三十日發行
編輯者 社團法人 日本放送協會
松田儀一郎
東京市麴町區内幸町二丁目二番地
發行兼 株式會社 日本放送出版協會
印刷者 和田利彦
東京市芝區田村町一丁目四番地
發行所 株式會社 日本放送出版協會
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