[戰爭と放送]第二次世界大戰と放送
【ラジオ年鑑. 昭和17年】日本放送協會
【ラジオ年鑑. 昭和17年】日本放送協會
【ラジオ年鑑. 昭和17年】
[戰爭と放送] p20/340
第二次世界大戰と放送
第二次世界大戰勃發と共に、
放送は近代戰に於ける
新しい武器としての役割を
明確に擔ふに至つた。
戰前夙に認められ來つた
宣傳戰に於ける放送の威力は、
今や本格的に驅使され、
放送は戰爭を通じて、
其の偉容を現はしつゝある。
陸・海・空の三戰線以外に、
第四戰線として
「姿なき電波戰」が
果敢に展開されつゝあることは、
果敢に展開されつゝあることは、
すでに周知の如くであり、
放送の迅速・廣汎な傳播力と、
多數の人間を同時に把える直接性とは、
放送をして思想戰に於ける
不可缺の武器たらしめるに至つたのである。
今次戰爭に於ても、
生起し變化する現象に
迅速に追隨し得る能力に於て、
放送が既存の周知手段を
遥かに凌駕するものであることが、
明示されて居り、
政治機關としての放送は、
國民を指導し、
與論を統一し、
銃後の結束を強化する上に
著しく貢獻してゐる。
而も短波を
その主要なる武器とする對外放送は、
敵國のデマ宣傳を排除するばかりでなく、
全地球の上に言語と音樂を擴撒して、
他國民の心を捉へ、
その世界像をも變革せんとしつゝあるのである。
かくして放送局は、
その經營形態の如何を問はず、
一國の「聲の代辯者」と見做され、
放送事業を整備すると否とは、
例へばフランスの如く、
一國の浮沈をも左右する
重大なる結果を招來するに至つてゐる。
總力戰に於ける放送 p20/340
―略―
戰爭と放送 p21/340
―略―
放送の國家的管理 p21/340
―略―
昭和十七年 ラジオ年鑑
定價金一圓參拾錢
昭和十六年十二月二十五日印刷
昭和十六年十二月 三十日發行
編輯者 社團法人 日本放送協會
松田儀一郎
東京市麴町區内幸町二丁目二番地
發行兼 株式會社 日本放送出版協會
印刷者 和田利彦
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發行所 株式會社 日本放送出版協會
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