<訳者あとがき 別府祐弘>
[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳:同文舘
訳者あとがき(初版~10版)189~192頁
PDF:[財務管理論](5-6)
<訳者あとがき 別府祐弘>
訳者は、著者のエズラ・ソロモン博士と懇談し、
短い時間ではあったが、
親しく教えを受ける機会を得た。
最後に同博士について簡単に御紹介して、
あとがきに代えたい。
〔略歴〕
1920年3月20日 ビルマのラングーン市に生れ、
当年(1971年)51才である。
1940年 ラングーン大学を卒業し、文学士号を受ける。
その後同大学で経済学担当教官として勤務中、
その後同大学で経済学担当教官として勤務中、
第二次世界大戦が起り、
家族とともにインドへ渡り、
英国海軍志願兵予備隊ビルマ分隊に5年間従軍し、
砲艦の艦長などを勤めた。
大戦後、ビルマ政府の派遣で米国へ渡る。
1949年 シカゴ大学経営大学院の助手になる。
1950年 專攻を国際経済学から財務論に切り換え、
シカゴ大学より財務論でPh.Dを授与され、
ただちに同大学経営大学院、
財務論担当助教授に就任する。
1952年6月3日 米国に帰化する。
1953年 U.S.Sennate Curreency and Banking Committee
の委員となる(1959年まで)
1954年 シカゴ大学経営大学院、准教授となる。
1957年 シカゴ大学経営大学院教授に昇進する。
1961年 スタンフォード大学経営大学院、
財務論担当教授に転じる。
1962年 同大学に国際マネジメント教育振興センターが
設置されると同時に、
その初代所長となり、
在任中、外国の経営学部教職員の間から
研修生を募るために広く各国を旅行し、
その間イタリア、コロンビア、アルゼンチンなどの
大学で客員教授を歴任した。
〔画像〕訳者あとがきp189
そしてまた、国際貿易・国際通貨の分野で
各国の専門家と接触を保つようになった。
ソロモン博士によると、
財政政策よりもむしろ金融政策の活用を提唱する
経済学者ミルトン・フリードマンの本拠である
シカゴ大学との結びつきが、
博士の考え方に影響を与えたことを自認している。
しかし博士は、フリードマン派とよばれることを好まない。
1971年8月
米国大統領経済諮問委員(国際問題担当委員)となり、
出向の形でワシントンに在勤している。
(博士によれば、1973年まではスタンフォード大学に
もどれないだろうとのことである。)
大統領経済諮問委員に任命されるまでの1年半の間、
博士は、大統領の財政機構財政規則委員会委員を勤め、
2月に提出された経済諮問委員会の1971年度年次報告の作成に
コンサルタントとして協力した。
博士はまた、米国公認会計士協会の経済顧問、
Journal of Quantitative and Financial Analysis 誌と
英国のJournal of Business Finance 誌の編集委員であり、
American Economic Association, American Finance Association
のメンバーでもある。
〔画像〕訳者あとがきp190-191
本訳書の筆をおくにあたって、
監修者古川栄一博士に心からお礼を申し上げます。
本書を拙いながらも訳出することができましたのは、
ひとえに学生時代以来の先生の御指導の賜であります。
また、多くの御指導を頂きました諸先生方、先輩、同僚、
後輩諸氏に厚く御礼申し上げます。
諸般の事情により、本書の原稿が大幅に遅れましたために、
大変御迷惑をおかけした同文舘出版株式会社、
中島朝彦専務取締役、吉川時男氏はじめ出版部の方々には
心からのお詫びを申し上げますとともに、
多大の御援助と忍耐強い御協力に深く感謝の意を表します。
1971年 湘南台にて 別府祐弘
〔画像〕訳者あとがきp192
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