佐々木勝麿(善照寺の祐哲和尚):慶應
實兄は泉谷祐勝:早稲田
【斜に視たる神戸一中】昭和15年
【斜に視たる神戸一中】昭和15年
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元町三丁目の善照寺の和尚さんは
大層繪がお上手だと言つたつて、
恐らく諸君はフンそうかと聞き流して了ふだらうが、
此祐哲和尚は往年早慶戰最も華なりし頃、
慶應の勝チャンと言へば本場の米國に於てさへ、
ナイスショートであると大向をウナラせた
佐々木勝麿君(7)の後身であると言うたら
鼻の穴をふくらせて驚くに相違ない。
なぜ和尚なんぞになつたかといふ事は
此處に書く必要はないが、
佐々木君の實兄は泉谷祐勝君(3)で、
今の若い人は知るまいが
早稻田の名キャプテンとして
日本で最初に渡米試合に行つた一人である。
※キャプテン:橋戸 信(遊撃 主將)
blog[小野一雄のルーツ]改訂版
早稻田大學野球部第一回米國遠征:安部磯雄部長と選手12名
[明治38年4月]【早稲田大学野球部史】大正14年
明治卅八年(1905)四月四日、
米國汽船コレア丸に搭じて渡米の途に上つた一行は、
部長 安部 磯雄
遊撃(主將) 橋戸 信
二壘 押川 淸
左翼 鈴木 豊
一壘 泉谷 祐勝
投手 河野安通志
一壘 森本 繁雄
右翼 獅子内謹一郎
三壘 陶山 素一
捕手 山脇 正治
中堅 小原 益遠
三壘 立原 秀輔
投手 細川 絢彦
斯く兄弟二人ともが名選手として、
今日で言うたら
村社君と前畑穣とターキーをミックスして
※村社講平
※前畑秀子
デバイドせぬ程の人氣を學生間に持ち、
僕等は其同窓たる事を誇りとしたものであつた。
兄さんの方はいつか本誌で御紹介した通り
東邦電力會社に勤め、
今でもバットを振り廻はして居られるが、
令弟の方は前記の通り
朝夕手珠をつまぐる身となられたので、
今度はミットの代りに繪筆を持ち
餘技とは思へぬヒットを飛ばして居られたが
先頃見事センターオーバー決つて
二科会會に入選せられたとあるから
ハイカラな宮本武藏みたいな人である。
朱實やお通の話は知らぬ。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1280315/63
斜に視たる神戸一中 全一冊
著作者 神戸市林田區長田村丸山鶯丘一ノ五三九
近江一郎
發行人 神戸市湊東區荒田町四丁目一七八番屋敷
小野楠雄
印刷所 神戸市湊東區荒田町四丁目一七八番屋敷
五典書院
印 刷 昭和十五年一月五日
發 行 昭和十五年一月十日
定 價 金壹圓五拾錢
版權者有
發行所 神戸市湊東區荒田町四丁目一七八番屋敷
五典書院
電話湊川⑤〇四八三番
振替神戸一三二六番
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1280315/202
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