別府三穂三郎「演題:新帝國」:第五高等学校[龍南會雜誌]80-97-126
[熊本大学学術リポジトリ]
Title 雜報
Author(s)
Citation 龍南會雜誌, 80: 97-126
Issue date 1900-06-25
Type Departmental Bulletin Paper
URL http://hdl.handle.net/2298/5597
Right
http://reposit.lib.kumamoto-u.ac.jp/bitstream/2298/5597/3/080-013.pdf
最終演説會記事 《委員投》 p12/31
(明治33年)五月廿九日、本學年最終の演説會を開く。
友田教授の講演あるが爲めか、
辯士の顔觸れ盛なりしが爲めか、
豫定時刻を過ぐること僅かに三十分にして聽衆既に數十、
委員即ち立ちて就任の辭
前回の続續きを述ぶること十五分、
曰く、
『吾輩が本部に對する方針は乞ふ之を次回に譲らん』、と。
既にして集まるもの益々多し、
辯士即ち壇に上る。
《1》 内藤善助君
―略―
《2》 三澤 紏君
―略―
《3》 大木俊九郎君
―略―
《4》 菊池剛太郎君
―略―
《5》 別府三穂三郎君 p15-16/31
菊池君と共に演説部員として、
赫々の功勳を龍南會に樹てられたる別府君は
吾輩の請囑により、
「新帝國」なる題を揚げて、
『静かに打掛れ』の號令を下せり。
曰く
『新帝國とは余が空想せる帝國なり。
此帝國は誰が作るか、
曰く余も其一人なり。
何處に出來るか、
曰く東洋に出來けん。
何時成るか、
曰く、
近き未來に於て成らん。』とて
轉頭一番東洋の形勢を揣摩して曰く
『・・・・・・であるから・・・・・・である
・・・・・・馬鹿なことでないが、
・・・・・・であるから是非・・・・・・ねばならぬ』と
隨分要領を得ざることの多かりしは、
閣下ブランデーの過ぎしが爲めにあらざる乎。
兎角其帝國の首府は矢張り東京にして、
版圖は支那朝鮮比律賓を含み、
北京、漢口、マニラに総督を置き、
内閣は閣下自ら組織せらると言へば、
二三部の人々は又法科生の法螺として笑はんも、
此空想の現實するや否やは、
三十世紀の歷史家にあらずんば知らじかし、
嗚呼先きには菊池君の殖民論、
遠き未來に於て世界統一を企つるあり。
今又別府君の新帝國
近き眼前に巍然として聳ゆるあらんとす。
法科生の心事快哉と叫ぶの外なし焉矣
《6》 三原新太郎君
―略―
擊劍紅白勝負 p17/31
―略―
柔道紅白勝負(部員報) p23/31
―略―
寄贈雑誌(自三月 至五月) p29-30/31
校友雑誌 一 豐津中學校友會
榮城 九 佐賀一中榮城會
學友會雑誌 六 宮城中學學友會
京華校友會雑誌 五 京華中學校友会
同窓會報告書 二三 福嶋一中同窓會
商友會報告書 一六 長崎商業學校商友會
華陽 二〇 岐阜中學華陽會
六稜 一六 大坂府一中校友會
校友雑誌 六 宇和嶋中學校友會
學友會雑誌 二 札幌中學學友會
共成會々誌 七七 岡山師範共成會
校友會雑誌 二九 城北中學校友會
校友會雑誌 二〇 開成中學校友會
桃陰 一〇 大坂府五中校友會
矯々會雑誌 六六 久留米中學矯々會
無盡燈 毎號 無盡燈社
帝國靑年 帝國靑年會
學友會雑誌 七 山口高學友會
北辰會雑誌 二六 第四高校友會
校友會雑誌 九三~九六 第一高校友會
國士 十八、十九 造士會
帝國文學 三~五 帝國文學會
敎育公報 二三四~二三五 帝國敎育會
教育時論 五四〇~五四四 開發社
兒童研究 七~九 敎育研究所
研瑤會雑誌 三五 長崎醫學部研瑤會
學友會雑誌 第二高學友會
ちょくごとくほん 湯本武比古氏
丁酋倫理會講演 丁酋倫理會
九州敎育雑誌 毎號 九州敎育雑誌社
六合難誌 二三一、二三二 ゆにてりあん弘道會
貧兒寮月報 毎號 熊本貧兒寮
同窓會雑誌 四 東山學院同窓會
独逸語學雑誌 毎號 独逸語學雑誌社
明治三十三年四月中 生徒圖書閲覧表(日數十八日間)p31/31
―略―
[熊本大学学術リポジトリ]
Title 雜報
Author(s)
Citation 龍南會雜誌, 80: 97-126
Issue date 1900-06-25
Type Departmental Bulletin Paper
URL http://hdl.handle.net/2298/5597
Right
http://reposit.lib.kumamoto-u.ac.jp/bitstream/2298/5597/3/080-013.pdf
最終演説會記事 《委員投》 p12/31
(明治33年)五月廿九日、本學年最終の演説會を開く。
友田教授の講演あるが爲めか、
辯士の顔觸れ盛なりしが爲めか、
豫定時刻を過ぐること僅かに三十分にして聽衆既に數十、
委員即ち立ちて就任の辭
前回の続續きを述ぶること十五分、
曰く、
『吾輩が本部に對する方針は乞ふ之を次回に譲らん』、と。
既にして集まるもの益々多し、
辯士即ち壇に上る。
《1》 内藤善助君
―略―
《2》 三澤 紏君
―略―
《3》 大木俊九郎君
―略―
《4》 菊池剛太郎君
―略―
《5》 別府三穂三郎君 p15-16/31
菊池君と共に演説部員として、
赫々の功勳を龍南會に樹てられたる別府君は
吾輩の請囑により、
「新帝國」なる題を揚げて、
『静かに打掛れ』の號令を下せり。
曰く
『新帝國とは余が空想せる帝國なり。
此帝國は誰が作るか、
曰く余も其一人なり。
何處に出來るか、
曰く東洋に出來けん。
何時成るか、
曰く、
近き未來に於て成らん。』とて
轉頭一番東洋の形勢を揣摩して曰く
『・・・・・・であるから・・・・・・である
・・・・・・馬鹿なことでないが、
・・・・・・であるから是非・・・・・・ねばならぬ』と
隨分要領を得ざることの多かりしは、
閣下ブランデーの過ぎしが爲めにあらざる乎。
兎角其帝國の首府は矢張り東京にして、
版圖は支那朝鮮比律賓を含み、
北京、漢口、マニラに総督を置き、
内閣は閣下自ら組織せらると言へば、
二三部の人々は又法科生の法螺として笑はんも、
此空想の現實するや否やは、
三十世紀の歷史家にあらずんば知らじかし、
嗚呼先きには菊池君の殖民論、
遠き未來に於て世界統一を企つるあり。
今又別府君の新帝國
近き眼前に巍然として聳ゆるあらんとす。
法科生の心事快哉と叫ぶの外なし焉矣
《6》 三原新太郎君
―略―
擊劍紅白勝負 p17/31
―略―
柔道紅白勝負(部員報) p23/31
―略―
寄贈雑誌(自三月 至五月) p29-30/31
校友雑誌 一 豐津中學校友會
榮城 九 佐賀一中榮城會
學友會雑誌 六 宮城中學學友會
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同窓會報告書 二三 福嶋一中同窓會
商友會報告書 一六 長崎商業學校商友會
華陽 二〇 岐阜中學華陽會
六稜 一六 大坂府一中校友會
校友雑誌 六 宇和嶋中學校友會
學友會雑誌 二 札幌中學學友會
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校友會雑誌 二九 城北中學校友會
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桃陰 一〇 大坂府五中校友會
矯々會雑誌 六六 久留米中學矯々會
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帝國靑年 帝國靑年會
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北辰會雑誌 二六 第四高校友會
校友會雑誌 九三~九六 第一高校友會
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研瑤會雑誌 三五 長崎醫學部研瑤會
學友會雑誌 第二高學友會
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九州敎育雑誌 毎號 九州敎育雑誌社
六合難誌 二三一、二三二 ゆにてりあん弘道會
貧兒寮月報 毎號 熊本貧兒寮
同窓會雑誌 四 東山學院同窓會
独逸語學雑誌 毎號 独逸語學雑誌社
明治三十三年四月中 生徒圖書閲覧表(日數十八日間)p31/31
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