[序]讀賣新聞社編輯局
【支那事変実記. 第1輯】讀賣新聞社編輯局・昭和17年

【支那事変実記. 第1輯 大東亞戰史 〓編】

 第1輯】p3
〔画像〕【支那事変実記. 第1輯】p3

  [序] p4-5/187
今回の支那事變における我が軍の行動は、
同文同種の親近關係にある
支那國民を敵とするものではなくて、
日支の國交を阻害する抗日分子を徹底的に排除し
東洋の平和を永遠に確立するための
正義の戰ひである。

わが社は事變勃發と同時に
逸早く多數の記者を現地に派遣し、
現地報道の第一線に立てた。

幸ひに皇軍は銃後における
全國民の熱烈なる聲援と支持の下に、
陸に、海に、空に、連戰連勝、
世界の戰史にも未だ嘗て例を見ざる程の
驚異的戰績を擧げつゝある。

この輝かしき戰績は、
或はラヂオによつて、
或は新聞を通じて時々刻々報道されつゝあるが、
これを一冊の書物にまとめて通覽し、
死生を賭しての皇軍將士の奮闘と勞苦を思ふことは、
第一線に戰ふ皇軍將士に對する國民的支援を益益深め、
以てわが國策の貫徹を期する所以であると思ふ。

わが編輯局が本書の編纂を企てるに至つた動機はこゝにある。
 第1輯】p4
〔画像〕【支那事変実記. 第1輯】p4
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1041954/4

事變は今尚刻々に擴大中であり、
且多忙の間にこれを纏めざるを得ない事情にあつたので
素より完全無缺のもとはいへず、
多少の遺漏は免れられぬかも知れぬが、
然し現在の事情の下にあつて
手に入る限りの資料を蒐集し
最新の注意をもつてこれを整理し、
出來得る限りの完璧を期した積りであり、
こゝに収められた
一行の文章、
一葉の寫眞と雖も
鐵火の中を潜れる多數の記者の
貴重なる血と汗の結晶たらざるものはない。

本書はこれを
縦に見れば、
一貫せる戰史的記錄であると共に、
横に見れば
忠勇義烈の各將士の戰火と血涙に彩られた
奮闘談であり、
美談集であり、
逸話集であるところに、
いささかの特色を示したことを最後に附言して置く。

 讀賣新聞社編輯局識

[支那事變實記] 自七月七日 至八月卅一日
 第1輯】p5
〔画像〕【支那事変実記. 第1輯】p5
昭和十七年四月 十日印刷
昭和十七年四月十五日發行
支那事變實記 全十五輯
 特製 定價 金三十圓
編 者  讀賣新聞社編輯局
編輯實務
責任者  樺山寛二
發行者  東京市淀橋區下落合二ノ九一六
     佐藤邦秀
印刷者  東京市神田區鎌倉町一九
     井關敦雄
東京市淀橋區下落合二ノ九一六
讀賣新聞社編輯局編纂
  大東亞戰史發行所
  電話大塚(86)三四七一番
【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇