籠城を決意する北平の邦人女性
【支那事変実記. 第1輯】讀賣新聞社編輯局・昭和17年

【支那事変実記. 第1輯 大東亞戰史 〓編】

 第1輯】p3
〔画像〕【支那事変実記. 第1輯】p3

(昭和十二年)七月二十二日 p51/187
籠城を決意する北平の邦人女性
民間鳥人蹶起す
(戰況)
 ―略―
 雄々し白粉をすてて
硝煙の北平籠城風景を彩る花―
それは白粉氣をなくした雄々しい大和撫子だ。

蘆溝橋の砲聲は、
北平在留の日本女性の半分以上を追ひ立てた。

天津經由で内地へ避難しただけでも六百人、
事變はじめの悲壯感は、
皇軍の派兵で大分落付いて來たとはいふものの、
それでも毎日幾人かは北平を去つて行く。

後に殘つた籠城娘子軍は
半島の女性を交へてただ四百人あまり、
これが北平をかざる悲壯な花である。

彼女達はいよいよ最後の籠城となつたら
炊出しを引受けて女ながらも
力の續く限り働いて見せやうと力んでゐる。
 第1輯】p51
〔画像〕【支那事変実記. 第1輯】p51
昭和十七年四月 十日印刷
昭和十七年四月十五日發行
支那事變實記 全十五輯
 特製 定價 金三十圓
編 者  讀賣新聞社編輯局
編輯實務
責任者  樺山寛二
發行者  東京市淀橋區下落合二ノ九一六
     佐藤邦秀
印刷者  東京市神田區鎌倉町一九
     井關敦雄
東京市淀橋區下落合二ノ九一六
讀賣新聞社編輯局編纂
  大東亞戰史發行所
  電話大塚(86)三四七一番
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