《大隈八太郎(重信)》[英國水夫暗殺事件]明治1年10月
【新聞集成明治編年史】
【新聞集成明治編年史. 第一卷】昭和9年12月2日発行
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1920323/292
明治元年十月(皇紀二五二八 西暦一八六八)
[英國水夫暗殺事件] p133/295
〔一〇・ 、崎陽雜報四〕 ※明治1年10月(1868年11月14日)
長崎「タイムス」ト云フ新聞紙ヨリ譯出ス。
昨年七月六日ノ夜、 ※慶応3年7月6日(1867年8月5日)
當港滞在ノ英軍艦「イカルス」ノ水夫、
ロベルトフオード、ジヨンホツチンスト
云ヘル兩人ヲ、
暗殺セシ兇手詮議ノ儀、
是迄不分明ノ處、
此節政道一新ノ庶相現ハレ、
一件全ク明白ニ及ビタリ。
凡一ケ月前朝廷ヨリ
大隈八太郎ト云ヘル高官、 ※大隈八太郎:大隈重信
是迄曖昧ナリシ此一事ヲ盡力シテ
氷解ナサシメンコトヲ命ジテ
當港ニ差送レリ
國々ノ領地中、
不洩探索ヲ遂ンコトヲ諸侯ニ希望セシニ、
此事全ク相遂ゲ、
竟ニ明白ニ至リシハ其事ヲ告知スルニモ、
予等歡喜ノ至ナリ。
此暗殺人ハ筑前ノ人ニシテ、
其時居留地番士ノ中ナルベシ、
總員十一人ノ人數ニテ、
内九人ハ此罪相當ノ刑ニ處セラレンタメ、
今既ニ長崎ニ至ルノ道中ナリ。
内一人ハ、
同人居所ニテ、
捕人來リシ時
截腹セリ。 ※截腹:切腹
外一人ハ脱走セシト雖モ
召捕ラレンコト疑ナシ。
右罪人ハ船ニテ當港ヘ送リ來ルベシト風説アリ。
今明日來港ノ積リ。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1920323/133
宮永 孝
―略―
新政府も苦境に陥り、
これまであいまいであったこの一件を
氷解なさしめることにし、
大隈八太郎(重信)を長崎に派遣した。 p105
慶應四年九月七日(一八六八・一〇・二二)立山役所において、
大隈八太郎・楠本平之允(正隆、当時長崎裁判所権判事)・
吉井源馬・林亀吉(土佐藩大目付)らが参会し、
犯人捜索について相談し、
その後八方に手を廻して犯人逮捕の糸口を得ようとしたが
思わしくなかった。
しかし、ふとしたことから事件解決の端緒が開けた。
林亀吉は長崎に来てから書生を雇い置いていたが、
その者が「加害者を知っています、何でも筑前藩の者です」
といったことから、その旨を
長崎府知事沢宣嘉(一八三三~七三)、幕末・維新期の公卿)に申し出た。
かくして沢知事は、筑前藩の聞役(外的などの急を知らせる役)
栗田貢を呼び出し、取り調べを命じた。
同人は突然の話に狼狽し、藩庁に報告すると、
藩としても包み隠すことができず、
ついにじつは弊藩の金子才吉という者の仕業です、と白状した。
同人はすでに切腹して果てたので、
この一件に関しては連係者が自首するということにし、
ひとまず落着した。 p106
―略―
新聞記事としては「英国水夫暗殺事件」
(明治元・10、『崎陽雑報』(四)、
『新聞集成 明治編年史 第一巻』所収)
などがある。 p110
―略―
http://ci.nii.ac.jp/els/110000184568.pdf?id=ART0000544739&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1356846945&cp=
[Wikipedia]
[幕末の外国人襲撃・殺害事件]
慶応3年(1867年)
英国水兵殺害事件 [編集]
7月6日夜、 ※慶応3年7月6日(1867年8月5日)
長崎でイギリス軍艦イカルス号の水兵、
ジョン・ホッチングとロバート・フォードの2人が、
泥酔して丸山の路上に寝込んでいるところを、
筑前藩士金子才吉に殺害された。
金子は8日に自刃していたが、
筑前藩がこれを秘匿したため、
「凶行数時間後の未明に、
長崎港内に碇泊していた土佐の帆船と汽船が
相次いで突然出帆したという事実」から、
土佐藩に嫌疑がかかり、
イギリス公使パークスが土佐まで出向くなど
躍起になって犯人探索に当たるが、
当然ながら犯人は挙がらなかった。
後日(明治元年10月27日)、 ※明治1年10月27日(1868年12月10日)
犯人が筑前藩士であることが判明、
被害者遺族に見舞金が支払われ、
金子と同道していた6名の者が禁錮刑に処せられた。
なお、土佐藩はこの対応に時間をとられ、
薩土盟約が解消されることとなった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%95%E6%9C%AB%E3%81%AE%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E8%A5%B2%E6%92%83%E3%83%BB%E6%AE%BA%E5%AE%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6#.E9.B3.B6.E3.81.AE.E5.B0.8F.E4.BA.80.E4.BA.8B.E4.BB.B6.EF.BC.88.E3.83.95.E3.83.A9.E3.83.B3.E3.82.B9.E6.B0.B4.E5.85.B5.E6.AE.BA.E5.AE.B3.EF.BC.89
【新聞集成明治編年史】
【新聞集成明治編年史. 第一卷】昭和9年12月2日発行
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1920323/292
明治元年十月(皇紀二五二八 西暦一八六八)
[英國水夫暗殺事件] p133/295
〔一〇・ 、崎陽雜報四〕 ※明治1年10月(1868年11月14日)
長崎「タイムス」ト云フ新聞紙ヨリ譯出ス。
昨年七月六日ノ夜、 ※慶応3年7月6日(1867年8月5日)
當港滞在ノ英軍艦「イカルス」ノ水夫、
ロベルトフオード、ジヨンホツチンスト
云ヘル兩人ヲ、
暗殺セシ兇手詮議ノ儀、
是迄不分明ノ處、
此節政道一新ノ庶相現ハレ、
一件全ク明白ニ及ビタリ。
凡一ケ月前朝廷ヨリ
大隈八太郎ト云ヘル高官、 ※大隈八太郎:大隈重信
是迄曖昧ナリシ此一事ヲ盡力シテ
氷解ナサシメンコトヲ命ジテ
當港ニ差送レリ
國々ノ領地中、
不洩探索ヲ遂ンコトヲ諸侯ニ希望セシニ、
此事全ク相遂ゲ、
竟ニ明白ニ至リシハ其事ヲ告知スルニモ、
予等歡喜ノ至ナリ。
此暗殺人ハ筑前ノ人ニシテ、
其時居留地番士ノ中ナルベシ、
總員十一人ノ人數ニテ、
内九人ハ此罪相當ノ刑ニ處セラレンタメ、
今既ニ長崎ニ至ルノ道中ナリ。
内一人ハ、
同人居所ニテ、
捕人來リシ時
截腹セリ。 ※截腹:切腹
外一人ハ脱走セシト雖モ
召捕ラレンコト疑ナシ。
右罪人ハ船ニテ當港ヘ送リ來ルベシト風説アリ。
今明日來港ノ積リ。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1920323/133
【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』
宮永 孝
―略―
新政府も苦境に陥り、
これまであいまいであったこの一件を
氷解なさしめることにし、
大隈八太郎(重信)を長崎に派遣した。 p105
慶應四年九月七日(一八六八・一〇・二二)立山役所において、
大隈八太郎・楠本平之允(正隆、当時長崎裁判所権判事)・
吉井源馬・林亀吉(土佐藩大目付)らが参会し、
犯人捜索について相談し、
その後八方に手を廻して犯人逮捕の糸口を得ようとしたが
思わしくなかった。
しかし、ふとしたことから事件解決の端緒が開けた。
林亀吉は長崎に来てから書生を雇い置いていたが、
その者が「加害者を知っています、何でも筑前藩の者です」
といったことから、その旨を
長崎府知事沢宣嘉(一八三三~七三)、幕末・維新期の公卿)に申し出た。
かくして沢知事は、筑前藩の聞役(外的などの急を知らせる役)
栗田貢を呼び出し、取り調べを命じた。
同人は突然の話に狼狽し、藩庁に報告すると、
藩としても包み隠すことができず、
ついにじつは弊藩の金子才吉という者の仕業です、と白状した。
同人はすでに切腹して果てたので、
この一件に関しては連係者が自首するということにし、
ひとまず落着した。 p106
―略―
新聞記事としては「英国水夫暗殺事件」
(明治元・10、『崎陽雑報』(四)、
『新聞集成 明治編年史 第一巻』所収)
などがある。 p110
―略―
http://ci.nii.ac.jp/els/110000184568.pdf?id=ART0000544739&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1356846945&cp=
[Wikipedia]
[幕末の外国人襲撃・殺害事件]
慶応3年(1867年)
英国水兵殺害事件 [編集]
7月6日夜、 ※慶応3年7月6日(1867年8月5日)
長崎でイギリス軍艦イカルス号の水兵、
ジョン・ホッチングとロバート・フォードの2人が、
泥酔して丸山の路上に寝込んでいるところを、
筑前藩士金子才吉に殺害された。
金子は8日に自刃していたが、
筑前藩がこれを秘匿したため、
「凶行数時間後の未明に、
長崎港内に碇泊していた土佐の帆船と汽船が
相次いで突然出帆したという事実」から、
土佐藩に嫌疑がかかり、
イギリス公使パークスが土佐まで出向くなど
躍起になって犯人探索に当たるが、
当然ながら犯人は挙がらなかった。
後日(明治元年10月27日)、 ※明治1年10月27日(1868年12月10日)
犯人が筑前藩士であることが判明、
被害者遺族に見舞金が支払われ、
金子と同道していた6名の者が禁錮刑に処せられた。
なお、土佐藩はこの対応に時間をとられ、
薩土盟約が解消されることとなった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%95%E6%9C%AB%E3%81%AE%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E8%A5%B2%E6%92%83%E3%83%BB%E6%AE%BA%E5%AE%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6#.E9.B3.B6.E3.81.AE.E5.B0.8F.E4.BA.80.E4.BA.8B.E4.BB.B6.EF.BC.88.E3.83.95.E3.83.A9.E3.83.B3.E3.82.B9.E6.B0.B4.E5.85.B5.E6.AE.BA.E5.AE.B3.EF.BC.89