《土佐宿毛の教育者 酒井南嶺》
『酒井南嶺伝』昭和63年発行

『酒井南嶺伝』昭和63年発行
1《土佐宿毛の教育者 酒井南嶺》
2《土佐宿毛の教育者 酒井南嶺》
〔門人〕   p132
 南嶺からよく愛されたのは
 大江卓小野梓であった。 p135
3《土佐宿毛の教育者 酒井南嶺》
大江卓(天也ト号ス)酒井ノ親戚
小野梓(次女墨子 三女安子とともに) p138
※小野墨子(小野一雄の実祖母)
 小野安子(父・小野又一の養母)

〔あとがき〕 p164
私は長い間、
勤務医で大きな病院をあちこち転勤していたので、
先祖のことをじっくり考える気持にもなれなかった。
ところが妻が京都にある「維新を語る会」の会員になったりして、
郷土宿毛の歴史資料や、
南嶺の師、巖垣月洲等との交友情況を知るに及んで、
これは私も学ばねばとの思いにかられた。

南嶺が入門した、
江戸の佐藤一斎
大阪の後藤松陰
京都の巖垣月洲
当時の第一級の塾に入り、
交る士も、
頼三樹三郎
梅田雲浜など
著名人が多いのに、
南嶺は、
「人生は黙」の信念のもとに、
世に向かって声を出さず、
売名を慎み、
郷土宿毛で教育に情熱を注ぎ
幾多の大人物を育てたことは、
一族の者にとって、
感激に堪えないものであった。

ところで恥ずかしい話だが、
この南嶺の墓には、
数十年間一族の誰もが訪れていなかった。

昭和五十年五月、
二つの資料をもとに一族で、
高知へ墓探しに出かけた。

初めの文献で芋尻山に向かったが、
見当たらず、

もう一つの資料を頼りに
鳥打坂、筆山に向かい、
遂に南嶺の墓を見つけたのである。

雑草生い茂る中に一米半にも及ぶ
苔むした墓石であった。

中村正直先生が
表には

「南嶺酒井先生墓」

その側面には

「君詩文を善くし、
 書たくみなり、
 性磊落、権貴に諂わず、
 卑賤を侮らず、
 喜んで人に接し、
 談話を愛す。
 今宿毛の人名朝野に顕わすもの少なからず。
 皆君が陶鋳するところと云う」


そしてこの墓は宿毛の教子、
小野梓・大江卓・岩村通俊・桑原深造等の
協力によって建立されたと知った。
一族感涙にむせぶ気持でした。

また難解の書を読み解いて下さったり、
資料の時代考証や蘊蓄を傾けて、
南嶺の全貌をまとめて下さった、
小山松勝一郎先生に、
心から感謝の意を表する次第です。
 昭和五十一年十二月   弘中富士夫
   註 夫 富士夫はこの著書の完成を見ずにして
     昭和53年6月3日他界した(敦子)

〔奥付〕
小山松勝一郎(おやまつ かついちろう)
大正元年11月 山形県生まれ。
昭和7年 山形県師範学校 卒業。
文検國語科、漢文科合格。
教歴42年3カ月。
主著 「西遊草」(平凡社)
   「清河八郎」(新人物往来社)
   「幕末のおんな」共著(新人物往来社)
   「新徴組」(国書刊行会)
   「庄内藩新整組」共著(十方苑)
住所  酒田市若浜町5-7

弘中敦子(ひろなか あつこ)
明治42年1月 京都市生まれ。
大正15年3月 奈良女子高等師範附属高女 卒業。
昭和 4年3月 京都府立第一高等女学校
        国語漢文専攻科 卒業。
        「維新を語る会」会員。
        「土佐史談会」会員。
住所  福井市経田2-1605

昭和63年10月10日印刷
昭和63年10月21日発行
著 者 小山松勝一郎
    弘中敦子
発行所 東京宿毛会
    東京都中野区野方1-56-2
印刷・製本 誠宏印刷株式会社

兵頭武郎様から頂いた書籍です。小野一雄

【敬宇文集. 巻4】明治36年4月
[酒井南嶺君墓表]  p60-61/70
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/893602/61

【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』


《桑原深造:大江卓[土佐すくも人][小野梓傳]》
http://blog.livedoor.jp/kazuo1947/archives/2233400.html

《坂本龍馬の短刀:公文菊僊:中島知矩平》
この美しい短刀は、私の母方の祖父
酒井三治南嶺が
坂本龍馬から貰ったものと云い伝えられ、
母知恵が護刀として持っていたものである。
明治の終り頃まで生存していた
南嶺の妻貞及び貞の弟桑原深造の話では、
「南嶺は龍馬と親しく又龍馬の先生でもあったので、
龍馬が脱藩の時に南嶺に贈ったのだ」という。
http://blog.livedoor.jp/kazuo1947/archives/2233393.html

《大江卓・齊原秀馬・齊原治一郎・揚鶴居士・明治罪人》
【大江卓君之略伝】明治23年
http://blog.livedoor.jp/kazuo1947/archives/2377291.html

《酒井南嶺君墓表:中村敬宇・明治17年4月》
『小野梓全集 第五巻』昭和57年
http://blog.livedoor.jp/kazuo1947/archives/2377318.html