[小野梓、厠(かはや)に書架を設く]
【名流百話】明治42年2月

【名流百話】明治42年2月13日発行
 編者 渡邊斬鬼
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/778898/82
[小野梓、厠(かはや)に書架を設く] p47/87
小野梓、痔疾を患(うれ)へ、
苦痛を感ずること久し、

偶(たまた)ま
厠に入れば
凡そ二時間の長きに渉る、

彼れは
讀書を以て生命とし、
常住坐臥
嘗(かつ)て
書物を釋(す)てたることなし、

厠に入りて尚(なお)
爾(しか)くありや
否やを怪むものあり、

竊(ひそか)に
之を窺(うかが)へば、

彼は顔を顰(しか)めながらも
書物に對す、

實に其
厠には書架を設け、
和漢洋の書籍、
累々堆積せるなりけり。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/778898/47

【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』