[鍼灸醫と鍼灸會2/4]
【西区史. 第1巻】昭和18年
【西区史. 第1巻】昭和18年9月10日発行
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1042194/482
四、鍼灸醫と鍼灸會 p405/484
鍼灸術は明治維新以後
西洋醫術の輸入に依つて一時は全く
衰頽の境に至つたのであるが、
明治三十四年に大阪鍼灸會が組織せられ、
鍼灸醫道の復興挽回を叫び、
大正、昭和の現代に至り次第に盛況を增して今日に至つた。
殊に本區内に於ける鍼灸醫は學界方面に於ても
鍼又は灸の研究に依りて
醫學博士の學位を得た人々
(大阪市内に四名)は、
孰れも我が西區の人々であり、
其他 斯界の教育機關として創立せられた
關西鍼灸學院或は鍼灸に關する
出版物等も皆
西區を中心として發展して來たのである。
鍼灸會は明治三十四年頃に
堀江の《藤井楠次郎》、《長門谷貫之助》、
江戸堀の《山本新梧》、《吉田多市》等
西區に於ける當時の新人であり
先覺者を以て任ずる人々が發起して
大阪鍼灸會を組織し、
機關誌「日本鍼灸雑誌」を發行するに至つた。
此「日本鍼灸雑誌」は爾來毎月一回發行せられて居たが、
大正三年には大日本鍼灸醫會の機關誌となり、
昭和十六年には株式組織に改め
「株式會社日本鍼灸雑誌社」を創立して
社長《藤井秀二》を始め、
《山本新梧》、《長門谷丈一》、《郡山七二》等
西區出身者の多くが取締役又は監査役に就任し、
本社を西長堀北通一丁目に置き
全國に於ける鍼灸界唯一の専門雑誌として
斯界に多大の貢献と裨益を與へてゐる。
明治三十四年頃には
大阪鍼灸會の他に
大阪市内に警察署管内を單位とせる
鍼灸會等が創立せられた事もあるが、
是等は孰れも法規に基いたもので無く、
一部同志が相集りて設立したに過ぎず、
昭和七年六月
大阪府令に基き大阪市内を單位とする
公認大阪市鍼灸會が設立されて
始めて眞に統制ある同業組合としての
機能を發揮するに至つたものである。
大阪鍼灸會時代の會長は
初代《藤井楠次郎》
二代《長門谷貫之助》
三代《市川隆助》
四代《山本新梧》
新組織後の大阪鍼灸會は本部の外に
各警察署管内毎に事務機關として支部を置き、
顧問に現府會議長《蒲田利郎》を委嘱し
益々會務の向上發展を期して居る。
尚大阪市内に於ける現會員數は
一千五百餘名の多きに達し、
其内西區で開業せる者は百二十一名である。
現 會 長 《郡山七二》 幸町二丁目
現 副會長 《末吉久一》 京町堀通五丁目
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1042194/406
新町支部長 浅田亮一
川口支部長 木村政太郎
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1042194/407
【西区史. 第1巻】昭和18年
【西区史. 第1巻】昭和18年9月10日発行
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1042194/482
四、鍼灸醫と鍼灸會 p405/484
鍼灸術は明治維新以後
西洋醫術の輸入に依つて一時は全く
衰頽の境に至つたのであるが、
明治三十四年に大阪鍼灸會が組織せられ、
鍼灸醫道の復興挽回を叫び、
大正、昭和の現代に至り次第に盛況を增して今日に至つた。
殊に本區内に於ける鍼灸醫は學界方面に於ても
鍼又は灸の研究に依りて
醫學博士の學位を得た人々
(大阪市内に四名)は、
孰れも我が西區の人々であり、
其他 斯界の教育機關として創立せられた
關西鍼灸學院或は鍼灸に關する
出版物等も皆
西區を中心として發展して來たのである。
鍼灸會は明治三十四年頃に
堀江の《藤井楠次郎》、《長門谷貫之助》、
江戸堀の《山本新梧》、《吉田多市》等
西區に於ける當時の新人であり
先覺者を以て任ずる人々が發起して
大阪鍼灸會を組織し、
機關誌「日本鍼灸雑誌」を發行するに至つた。
此「日本鍼灸雑誌」は爾來毎月一回發行せられて居たが、
大正三年には大日本鍼灸醫會の機關誌となり、
昭和十六年には株式組織に改め
「株式會社日本鍼灸雑誌社」を創立して
社長《藤井秀二》を始め、
《山本新梧》、《長門谷丈一》、《郡山七二》等
西區出身者の多くが取締役又は監査役に就任し、
本社を西長堀北通一丁目に置き
全國に於ける鍼灸界唯一の専門雑誌として
斯界に多大の貢献と裨益を與へてゐる。
明治三十四年頃には
大阪鍼灸會の他に
大阪市内に警察署管内を單位とせる
鍼灸會等が創立せられた事もあるが、
是等は孰れも法規に基いたもので無く、
一部同志が相集りて設立したに過ぎず、
昭和七年六月
大阪府令に基き大阪市内を單位とする
公認大阪市鍼灸會が設立されて
始めて眞に統制ある同業組合としての
機能を發揮するに至つたものである。
大阪鍼灸會時代の會長は
初代《藤井楠次郎》
二代《長門谷貫之助》
三代《市川隆助》
四代《山本新梧》
新組織後の大阪鍼灸會は本部の外に
各警察署管内毎に事務機關として支部を置き、
顧問に現府會議長《蒲田利郎》を委嘱し
益々會務の向上發展を期して居る。
尚大阪市内に於ける現會員數は
一千五百餘名の多きに達し、
其内西區で開業せる者は百二十一名である。
現 會 長 《郡山七二》 幸町二丁目
現 副會長 《末吉久一》 京町堀通五丁目
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1042194/406
新町支部長 浅田亮一
川口支部長 木村政太郎
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1042194/407
【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』