[公爵に一男子あり]
【公爵伊藤博文:附・藤公言行録】明治42年6月
【公爵伊藤博文:附・藤公言行録】明治42年6月
[末松夫人は唯一の愛嬢(謙澄子の艶福)] p196/205
夫人は七人の子を設けたが、
惜しい事には皆夭折し、
實子と云ふのは天にも地にも唯一人の生子嬢ばかり、
されば夫人の生子を寵愛すること大方ならず、
一にもお生ぼう二にも生ぼう、
生子嬢にあらずば夜も日も明けぬ位の子煩悩、
其生子嬢が今は末松謙澄男の夫人となつて居る、
唯だ一人の愛嬢を何故末松に呉れたかといふに、
それには一場の佳話がある。 p197/205
―略―
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/781038/196
[嗣子博邦氏は養子(今は式部次長)] p198/205
天にも地にも唯一人の令嬢は、
斯樣な行掛りで末松に呉れた、
そして鮫島武之助の弟勇吉を養子に貰つて ※鮫島武之助の弟?
公の嗣子としたのである、
今の式部次長伊藤博邦が卽ち此の人だ、
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/781038/198
博邦氏の夫人は高島嘉右衞門の養女とふ格であるが、 p199/205
其素性を質すと頗る面白い話がある、
併し其れは言はぬが花であらう。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/781038/199
[公爵に一男子あり] p199/205
公の實子は今の末松子爵夫人のみと思つて居たが、
或探訪通話によると、
一人の男子があるといふ事だ、
其母と云ふのは
下谷車坂の稻垣新兵衞とか申す娘で、
其昔し
稻垣の娘ウタが
公爵家の女中に住み込みし時、
何時しか公の特別の愛竈を受け、
程なく産落したは眞一といふ男の子で、
後
ウタは眞一を連れて
芝邊の西洋家具商
堀某に嫁し、
毎月公より手當を送つて居たが、
四十年三月とやらに
公は眞一を認知して、
伊藤家へ入籍したさうである。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/781038/199
明治四十二年五月廿九日印刷
明治四十二年六月 一日發行
正價 金 五拾錢
著者 岩崎勝三郎
發行者 岩崎鐡次郎
東京市神田區鍋町二十一番地
印刷者 木村榮吉
東京市京橋區采女町十番地
印刷所 文英社
東京市京橋區采女町九番地
發兌元 大學館
東京市神田區鍋町廿一番地
電話 本局三〇六七番
振替貯金口座番號四五一七
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/781038/199
【公爵伊藤博文:附・藤公言行録】明治42年6月
【公爵伊藤博文:附・藤公言行録】明治42年6月
[末松夫人は唯一の愛嬢(謙澄子の艶福)] p196/205
夫人は七人の子を設けたが、
惜しい事には皆夭折し、
實子と云ふのは天にも地にも唯一人の生子嬢ばかり、
されば夫人の生子を寵愛すること大方ならず、
一にもお生ぼう二にも生ぼう、
生子嬢にあらずば夜も日も明けぬ位の子煩悩、
其生子嬢が今は末松謙澄男の夫人となつて居る、
唯だ一人の愛嬢を何故末松に呉れたかといふに、
それには一場の佳話がある。 p197/205
―略―
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/781038/196
[嗣子博邦氏は養子(今は式部次長)] p198/205
天にも地にも唯一人の令嬢は、
斯樣な行掛りで末松に呉れた、
そして鮫島武之助の弟勇吉を養子に貰つて ※鮫島武之助の弟?
公の嗣子としたのである、
今の式部次長伊藤博邦が卽ち此の人だ、
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/781038/198
博邦氏の夫人は高島嘉右衞門の養女とふ格であるが、 p199/205
其素性を質すと頗る面白い話がある、
併し其れは言はぬが花であらう。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/781038/199
[公爵に一男子あり] p199/205
公の實子は今の末松子爵夫人のみと思つて居たが、
或探訪通話によると、
一人の男子があるといふ事だ、
其母と云ふのは
下谷車坂の稻垣新兵衞とか申す娘で、
其昔し
稻垣の娘ウタが
公爵家の女中に住み込みし時、
何時しか公の特別の愛竈を受け、
程なく産落したは眞一といふ男の子で、
後
ウタは眞一を連れて
芝邊の西洋家具商
堀某に嫁し、
毎月公より手當を送つて居たが、
四十年三月とやらに
公は眞一を認知して、
伊藤家へ入籍したさうである。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/781038/199
明治四十二年五月廿九日印刷
明治四十二年六月 一日發行
正價 金 五拾錢
著者 岩崎勝三郎
發行者 岩崎鐡次郎
東京市神田區鍋町二十一番地
印刷者 木村榮吉
東京市京橋區采女町十番地
印刷所 文英社
東京市京橋區采女町九番地
發兌元 大學館
東京市神田區鍋町廿一番地
電話 本局三〇六七番
振替貯金口座番號四五一七
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【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』