《下村宏》
[昭和19年2月:下村海南 識]
【決戦期の日本】昭和19年
【決戦期の日本】昭和19年
序 p4-5/91
大東亞戰は決戰段階に入つた。
五百億圓を超ゆる未宗曾有の大豫算は、
十九年春の帝國議會に提案せられ、
衆議院を通過して
二月七日貴族院の議事日程に上るや、
私は原案に對して賛成演説を述べることとなつた。
本書の主文はその演説の要旨であるが、
論旨は單純なる豫算の賛成演説でない。
今や帝國興亡の岐るゝ大東亞戰、
東亞十億の民族を鐡鎖より斷ちきりて
解放せらるべき大東亞戰、
更に全世界を通じて
眞の平和を確保すべき大東亞戰に對し、
世間の認識は未だ徹底してゐない。
我等日本國民といはず、
大東亞の民族は、
更に更に力のかぎりを盡すべきである。
歐洲の現況にひきくらべても、
私は不平や愚痴どころか、
ただただ感謝感激あるばかりである。
從つてこの機會に、
大東亞戰勃發に至りし根本理念を述べ、
議會を通じて、
一億國民はもとより、
東亞十億の民族へ、
更に全世界の大衆へうつたへたのであつた。
私は當時
屡々この演説を廣く
世上に流布すべしとの勸告をうけたが、
しかし、
その内容はあまりにも廣きにすぎ、
しかも、
わづか三十五分間の演説に切りつめたのであるから、
このまゝでは簡に失しすぎる。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1271039/4
爲にその論旨を的確に立證すべく、
身邊多事の際、
不十分ながら數字と事實を列擧し、
それぞれ注釋を添へて
この一篇にまとめあげたのである。
されども紙數に限りあり、
わが力足らず、
資料とても全きを保しかねる。
しかも、
世界の形勢は時時刻刻に變轉して
止まるところを知らない。
立論の根柢には少しの動きもないが、
本書は昭和十九年二月末日に
筆を止めしものとして看過されたい。
昭和十九年二月
下村海南 識
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1271039/5
著者紹介 p89/91
下村 宏 氏
海南と號す。
和歌山市出身、
明治三十一年 東大法科卒、法學博士、
元貯金局長、台灣總督府民政長官、
朝日新聞副社長たり。
現在
貴族院議員、
大政翼賛會總務、
翼賛政治會總務、
日本放送協會會長。
著書 六十餘部あり
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1271039/89
日本出版會 承認番號う一八〇〇三五
(五〇〇〇部)
昭和十九年九月十五日初版印刷
昭和十九年九月二十日初版發行
定價 停 一圓 二十錢
特別行爲税相當額 六錢
合計(賣價) 一圓二十六錢
著者 下村 宏
發行者 山本地榮
朝日新聞社
東京都麹町區有樂町二丁目三番地
印刷者 長谷川隆士
帝都印刷株式會社
東京都板橋區板橋町三ノ六四番地
發行所 朝日新聞社
東京都麹町區有樂町二丁目三番地
日本出版會會員番號一〇一五〇三番
配給元 日本出版配給株式會社
東京都神田區淡路町二丁目九番地
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1271039/90
[昭和19年2月:下村海南 識]
【決戦期の日本】昭和19年
【決戦期の日本】昭和19年
序 p4-5/91
大東亞戰は決戰段階に入つた。
五百億圓を超ゆる未宗曾有の大豫算は、
十九年春の帝國議會に提案せられ、
衆議院を通過して
二月七日貴族院の議事日程に上るや、
私は原案に對して賛成演説を述べることとなつた。
本書の主文はその演説の要旨であるが、
論旨は單純なる豫算の賛成演説でない。
今や帝國興亡の岐るゝ大東亞戰、
東亞十億の民族を鐡鎖より斷ちきりて
解放せらるべき大東亞戰、
更に全世界を通じて
眞の平和を確保すべき大東亞戰に對し、
世間の認識は未だ徹底してゐない。
我等日本國民といはず、
大東亞の民族は、
更に更に力のかぎりを盡すべきである。
歐洲の現況にひきくらべても、
私は不平や愚痴どころか、
ただただ感謝感激あるばかりである。
從つてこの機會に、
大東亞戰勃發に至りし根本理念を述べ、
議會を通じて、
一億國民はもとより、
東亞十億の民族へ、
更に全世界の大衆へうつたへたのであつた。
私は當時
屡々この演説を廣く
世上に流布すべしとの勸告をうけたが、
しかし、
その内容はあまりにも廣きにすぎ、
しかも、
わづか三十五分間の演説に切りつめたのであるから、
このまゝでは簡に失しすぎる。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1271039/4
爲にその論旨を的確に立證すべく、
身邊多事の際、
不十分ながら數字と事實を列擧し、
それぞれ注釋を添へて
この一篇にまとめあげたのである。
されども紙數に限りあり、
わが力足らず、
資料とても全きを保しかねる。
しかも、
世界の形勢は時時刻刻に變轉して
止まるところを知らない。
立論の根柢には少しの動きもないが、
本書は昭和十九年二月末日に
筆を止めしものとして看過されたい。
昭和十九年二月
下村海南 識
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1271039/5
著者紹介 p89/91
下村 宏 氏
海南と號す。
和歌山市出身、
明治三十一年 東大法科卒、法學博士、
元貯金局長、台灣總督府民政長官、
朝日新聞副社長たり。
現在
貴族院議員、
大政翼賛會總務、
翼賛政治會總務、
日本放送協會會長。
著書 六十餘部あり
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1271039/89
日本出版會 承認番號う一八〇〇三五
(五〇〇〇部)
昭和十九年九月十五日初版印刷
昭和十九年九月二十日初版發行
定價 停 一圓 二十錢
特別行爲税相當額 六錢
合計(賣價) 一圓二十六錢
著者 下村 宏
發行者 山本地榮
朝日新聞社
東京都麹町區有樂町二丁目三番地
印刷者 長谷川隆士
帝都印刷株式會社
東京都板橋區板橋町三ノ六四番地
發行所 朝日新聞社
東京都麹町區有樂町二丁目三番地
日本出版會會員番號一〇一五〇三番
配給元 日本出版配給株式會社
東京都神田區淡路町二丁目九番地
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1271039/90
【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』