白木屋洋服店 大連市浪速町一二〇
【海外商工人名録. 昭和12年版(満洲国・中国の部)】
【海外商工人名録. 昭和12年版(満洲国・中国の部)】
滿洲國 大連 p71/216
(ニ)洋 服 p74/216
白木屋洋服店(邦、個人) 浪速町一二〇
【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』
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神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 人物伝記(5-098)
満州日報 1935.1.11 (昭和10)
一年間の売上金を投出して高商設立
日頃の念願ここに実現へ
奮い起つ福海氏
大連浪速町白木屋洋服店が創業三十周年記念事業として
本年中の売上金の全額(予想五十万円)を公益事業の資に
提供するという新聞広告は、
その内容が余りにも奇想天外なるため
俄然センセイションを捲き起し巷の話題となっているが、
誇大宣伝か?それとも真実決行の意思があるのか?
これについて大連署保安係及び高等係では誇大広告取締りの関係上、
十日午前十時半当の広告主白木屋洋服店経営者福海茂次郎氏を
本署に招致して広告内容の真偽を訊したところ、
福海氏は同店本年度売上高全収入予想五十万円を投じて
大連に多年全満要望の高等商業学校を設立せんため
この挙に出でたものであるとキッパリ言明した。
同氏の語るところによれば白木屋洋服店は
明治三十九年八月大山通三十三番地に
ささやか乍ら現主人によって開店されて漸次に店を拡張し、
現在の地点に移転してからは益々好調で現在で
恒産約六十万円に達したので、創業三十年を記念し、
予ねての念願であった高等商業学校の設立に
私費を投ずる決意をなしたもので
氏はこれより先き昨年十二月関東庁学務課を訪問して
当時の田辺学務課長その他と会見してその意中を明したが、
高商の設立困難の旨を説明されて帰り、
自分独力で是非共これを実現せんと今回の挙に出でたものである
―略―
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