[石けり][貧しき眠り]『チャー坊遺稿集』著者・柴田和志

『チャー坊遺稿集』飛鳥新社
 平成14年(2002)12月18日 初版発行

 『チャー坊遺稿集』中表紙
〔画像〕『チャー坊遺稿集』中表紙

[石けり] p76-77

びんぼう人の子供には何も出来ぬ事ばかり
てんじょうみつめてただひとり
口びるかみながら ふとんの中で

いたずらな子供たち何を思う
母を泣かせて べそかいて
夕暮ひとり ただ石けり

きずだらけでどろだらけ
ああ石けり

ひねくれた大人たち何を思う
おれはひとりただ生きて
夢見る思い 眠りの中で

きずだらけでどろだらけ
ああ眠りの中で

思いいずるふるさと山や川
がきの頃はあそんだ隠れ家や
帰ってみれば ああなつかし

きずだらけでどろだらけ
ああ石けり

 ※石けり
  詩中「思いいずるふるさと」とは
  子供の頃よく遊んだ稲荷山(京都市伏見区)を回想し、
  書かれている。
  晩年、部屋でよく歌っていた詩。
『チャー坊遺稿集』p76-77石けり
〔画像〕『チャー坊遺稿集』p76-77石けり

[貧しき眠り] p78-79

貧しき眠りの床につき
ひねくれた大人たち何を思う
びんぼう人の子供には何も出来ぬ事ばかり
天上見上げてただ一人
口びるかみながら眠りの中で

キズだらけでドロだらけ田舎道を

いたずらな子供たち何を思う
母を泣かせてべそかいて
夕暮 ひとり ただ石けり

石だらけの凸凹道を裸足で歩く

思いいずるふる里 山や川

異国の空でなつかしや
思い出 遠きふる里

キズだらけでドロだらけ田舎道を

 ※貧しき眠り
  前頁「石けり」の草稿的作品
『チャー坊遺稿集』p78-79貧しき眠り
〔画像〕『チャー坊遺稿集』p78-79貧しき眠り
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『チャー坊遺稿集』『1950~1994』
二〇〇二年一二月一八日 初版発行
著 者 柴田和志
発行者 土井尚道
発行所 株式会社 飛鳥新社
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    神田第3アメレックスビル
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定価(本体3,500円+税)
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