パール判事夫妻を想う「春風」主幹 二見健吉 平成15年(2003)8月号

合気道春風会
月刊「春風」の紹介
●創 刊
昭和 61 年( 1986 年) 9 月 1 日
※平成 23 年 9 月号を持って廃刊致しました。
ご購読ありがとうございました。
●発行人
二見 健吉
バックナンバー
2003 年 巻頭言 DL
※下記:2003 年 巻頭言 DL [shun_0308]を開く
   春風 平成15年(2003)8月号
パール判事夫妻を想う
   主幹 二見健吉
文学経済学博士である三上照夫氏(1928-)の ※下記
「歩104会記念講演録」(昭和 61 年度総会)を読む縁を
米田晃様から得た。
その中で、東京裁判のパール博士の奥さんの話では、
涙がとめどなく溢れてきた。

パール判事は、日本に訪問時、パール博士の妻は病床におり、
明日をも知れない状態であった。
病床の妻に言われた。

「日本と戦いを交えず、
しかも東洋から選ばれた裁判官であるあなただけが、
この裁判を行う資格者である」

パールは、妻が危篤になり、一時インドに帰国した。
痩せこけてまさに死せんとする妻に言われた。

「貴方は裁判官の妻として
妻を見舞いに来て下さったことは嬉しいが、
一面は侘びしい。
悠久二千六百年、
血と涙と汗の結晶で築き上げた日本の歴史が、
今まさに終焉せんとしているのです。
しかも、最後には、
前途に花も実もある浮き世の人生にさよならを告げて、
特攻隊なる青年まで生み出した日本の歴史が、
今 まさに終焉せんとしているのです。
そのような重大な裁判を後にして、
一介の妻の病気を見舞うために帰国したことは、
裁判官の妻として怨めしい、直ちに帰ってくれ」

パールは頷いて一晩も看病することなく再び東京へ戻った。
妻はその夜死にました。
このパールを支えたのはその妻で、
長文の「日本無罪論」を書かしめた原動力の源泉だと思った。

三上先生は、パール博士のお伴をして、
広島の原爆の碑の前に立ったとき、
何と書いてあるのか言われ、説明した。

「安からに眠って下さい。過ちは再び繰り返しませんから・・」

パール博士は、再度聞き直した。
そして中に入り、原爆碑を足蹴りにしたという。

「過ちを犯したのは誰だのだ。
我々米国民という主語が抜けていないのか。
プロフェッサー三上、お前は歴史学が専門家であろう。
そのような日本人としての信念の無い事で日本は建てるのか。」
と申した。

私は、パール判事が、
伝統日本に寄せられたこの憧憬が
今まさに消え失せんとしていることに、危機を感じている。
日本経済の沈下も、
糸を辿ると日本魂の消失に起因していると思う。

私は、たまたま 7 月 22 日広島を訪れ、
原爆碑前に佇んで、日本民族の魂の行方を思い、
靖国神社の英霊の叫びに少しでも応えたい。

日本民族の魂の再生は、
真の教育からしか生み出す事ができないと思う。

「真の教育とは人間一人一人の魂を目覚めさせ、
誰もが持っている個性を引き出せるよう教え導くことである。
そのためには、親や教師がいのちの素晴らしさを知り、
そのことを感動をもって伝えることが大切である。
私達は、他人と比較されるために生まれてきたのではなく、
自分の花を咲かせる為に生まれてきたのではなかろうか」
(筑波大学名誉教授村上和雄)。

私は、合気道を通じて、真の教育をせんと行動し念じている。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1950年(昭和25年)10月に再び来日し、約一ヶ月間日本に滞在した。
その際、原爆慰霊碑の碑文について、
碑文の責任者である浜井広島市長と対談を行う。
広島市中区の本照寺の住職・筧義章に請われ詩を執筆した。
その詩は後に本照寺に建立された「大亜細亜悲願之碑」に刻まれている。
5日には広島平和記念公園の原爆死没者慰霊碑の碑文にある
「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」を
ナイルの通訳を通して聞いた後、
日本人が日本人に謝っていると判断し
「原爆を落としたのは日本人ではない。
落としたアメリカ人の手は、まだ清められていない」
との主旨の発言をおこなった[47]。
パールは二度三度と碑文の内容を確かめた後
「憤ろしい不審の色」を浮かべて
 ―略―
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blog[小野一雄のルーツ]改訂版
2016年07月18日
[思い出の写真帖]065〔三上照夫先生:小野一雄 喜代子〕
三上照夫先生 66歳
昭和3年(1928)4月25日生
平成6年(1994)1月  8日歿
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blog[小野一雄のルーツ]改訂版
2017年01月01日
[思い出の写真帖]〔三上照夫邸:テツ&コイ〕930101
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