アングロ・サクソン國家のたそがれ《宮澤俊義》
【改造】新年號[大東亞戰爭]2602

【改造】新年號[大東亞戰爭]2602
 昭和十七年一月一日發行
 昭和十六年十二月二十日印刷納本
 第二十四巻 第一號 定價 壹圓
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アングロ・サクソン國家のたそがれ
         宮澤俊義
 十二月八日。
最近日本でこの日くらゐ全國民を緊張させ、感激させ、
そしてまた歡喜させた日はなからう。
 その朝はラジオを聞かなかつたので、
對米英の開戰はバスの中で會つた同僚からの話ではじめて知つた。
講義がをはるや否や、
ラジオを聞きに食堂へかけつけてみると、
丁度宣戰の大詔の謹讀中で、
同じ思ひでかけつけた多數の同僚が
ラジオに向つて直立してゐた。
「事既ニ此ニ至ル。帝國ハ今ヤ自存自衞ノ爲
蹶然起ツテ一切ノ障礙ヲ破碎スルノ外ナキナリ。」
アナウンサアの聲がわれわれの肺腑を突いた。
それがをわると東條首相の力強い演説がはじまつた。
 たうとうやりましたな、と誰も彼もが緊張に滿ちた、
しかも明るい笑顔を交した。
來るべきものがつひに來たといふ感じが
梅雨明けのやうな明朗さをもたらしたのである。
この瞬間全國の日本人はその體内に同じ日本人の血が強く
脈打つてゐることを改めてはつきりと意識したに相違ない。
 ―略―
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決戦・憲法・関ヶ原のblog
2018年10月14日
宮沢俊義と「大東亜戦争」⑦ それでも宮沢俊義は戦争を選んだ
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