瑞穂町商工会事務局長 西山芳明さん(43):
京都新聞 平成8年(1996)4月30日(火)
※現:京丹波町議会議員

特産品の開発・PRに取り組む瑞穂町商工会事務局長 西山芳明さん(43)
        UP 人ひろば
    地域活性化へ環境づくり

 船井郡初の町商工会事務局長に就任して六年。
一九九〇年度(平成2年)の商工会地域ビジョン作成事業を手始めに、
地域資源調査、特産品の開発など
次々と瑞穂町の活性化事業に取り組んできた。

 昨年度(平成7年)は府の特産品等販路開拓支援事業の一環として、
イメージキャラクター「チョッピー君」の選定、
販売促進グッズや特産品リーフレットの製作、
アンケート調査などを実施。
企画から組織づくり、報告書の作成まで、
事業のほとんどを西山さんは担ってきた。

「むらおこしの新たな特産品のアイデアを募り、
 五年がかりで木彫りの鳥、手づくりおかき、
 草納言(特産のホウレンソウを使った和菓子)にしぼりこんだ。
 本来でしゃばる立場ではないのですが、
 本年度からは、本格的な商品のPRに力を入れていきたい」と
さらなる意欲をみせる。

 大学の経済学部を卒業後、大手スーパーに七年間勤めた。
幹部候補生として、新潟、山形、秋田県の大型店舗に配属され、
徹底した社員教育を受けた。

「勉強しているのが仕事のようなもので、
 レポートの提出はしょっちゅう。
 顧客には見えませんが、
 販売戦略にはいろんな手法があることを知り、
 仕事の面白さも分かりました」と振り返る。

フローチャートや組織図の作成、企画の総括と今後の展望など、
自らが手がける商工会の報告書にも当時の訓練が生かされている。

 三十歳の時、故郷の誘いもあり、町商工会職員に転職した。
二年後、経営指導員になり、
「自分の最も得意の分野である」
地域の商業活性化委員会を組織。
しかし、そのころからスーパーの進出が激しくなり
「攻めから守り」へと戦略転換せざるを得なかった。

 小規模店の集積店舗構想も、
人口流出が続く同町では投資効果が見合わない。

「商工会のレベルを超えた
 マクロ的な地域活性化の必要性を感じました」と西山さん。

 そこで発想を変えて、行政機関や町内各種団体の協力を得て、
一九九〇年度(平成2年)に商工会地域ビジョン作成事業に着手。
九三年度(平成5年)には「自然との共生」をコンセプトに、
特産品や観光資源開発の村おこし事業に取り組んだ。
特定の特産品に肩入れしているのでは、という声もあるが

「瑞穂町全体を強く売り出していくためは、
 力を入れる特産品に偏りが出るのは仕方ない。
 そのために、地域資源調査までして、
 特産品の開発や選定に時間をかけたのですが、
 なかなか全体の理解を得るのは難しいですね」。

 今年は、町全体を売り出すPRビデオを作る予定。

「他府県で出身を聞かれて、
 京都や丹波と答えるのはたやすいが、
 堂々と瑞穂町とは言い難い。
 もっと故郷に誇りを持てる、
 環境づくりを努めたいですね」と抱負を語る。
              (瑞穂町猪鼻)
瑞穂町商工会事務局長 西山芳明さん
〔画像〕瑞穂町商工会事務局長 西山芳明さん
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