議員用の備品を良くし、町職員の備品の質を下げる内容:
京丹波町新庁舎備品購入案─
京都新聞令和3年(2021)4月15日
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令和3年(2021)4月15日 京都新聞丹波版
町長と議長 同じ椅子に
京丹波町新庁舎備品購入案
町会指摘受け修正
京丹波町は、町議会3月定例会で否決された
新庁舎の備品購入契約案について、
議会側の指摘を踏まえた案を新庁舎建設特別委員会に示した。
これまで新庁舎の正副議長室には町長用より低価格の執務席を購入し、
現町長室の応接ソファーやテーブルを再利用する計画だったが、
新町長室と同じ新品を正副議長用に用意する。
首長と議会が対等の立場で町政を進める
「二元代表制の観点」から改めたという。
町は13日、再入札を公告した。(佐々木千奈)
備品購入契約案は3月10日に同特別委で説明されたが
翌日開札されたため、町議会は、
「議員の意見を反映させる余地がなく、議会軽視だ」
などと賛成3、反対11で否決した。
新庁舎正副議長室に現町長室の備品を再利用するなどの案に
「二元代表制を軽んじている」との声が出ていた。
新たな購入案では、新庁舎町長室用に購入予定だった
執務用の机と椅子(定価計46万円)と同じセットを
正副議長用にそれぞれ購入する。
応接用ソファーとテーブルの再利用をやめ、新たに購入する。
現庁舎の備品を継続利用する予定だった議員準備室4部屋には
テーブル4台、椅子16脚、収納棚4台も追加購入する。
一方、新庁舎の備品庫や書庫などで使う棚計50台など
町民サービスに直接関係ない備品の購入を見直し、
現庁舎の備品を再利用する。
12日の同特別委の議論を受け、
町職員用の椅子202脚も定価ベースで約2万円安い品に見直す。
結果、予定価格は当初より約260万円下がるという。
町総務課は
「二元代表制の観点を捉えきれていなかった部分もあり、
理解を頂けるよう購入内容を変更した」としている。
梅原好範議長は
「上等な椅子を使いたいなどの議論がしたいわけではなく、
執行部が各部屋のビジョンを明確にしないまま
入札行為を進めていたのが理解できなかった」と説明。
「今回は入札前に特別委員会で説明を受け、
歓迎できる手順を踏んだ」と話している。
【解説】 丁寧な説明姿勢を
京丹波町の新庁舎整備事業を巡り、
これまで町議会が3度にわたり関連事業を否決した。
8月末の完成を急ぐ町が議案をチェックする
町議会との意思疎通や丁寧な説明を欠いた結果、
このような事態を引き起こしたといえる。
1度目の否決は建材調達費用が高すぎるとの理由だった。
2度目は庁舎周辺の植栽への必要性に疑問を感じるという理由。
いずれも否決された後、町は同じ内容の案を提案し、議会は可決している。
否決前に議会で出た意見を取り入れ、
歩み寄る努力を町が怠ったと受け止められても仕方がない。
3度目は、町が備品購入案を実質的に修正の余地がない
開札前日になって議会に示したのが主な否決理由だ。
審議すべき議会が審議できない状況にされたのであれば、
否決も納得できる。
一方、今回の修正は
議員用の備品を良くし、
町職員の備品の質を下げる内容だった。
なんとか矛を収めてもらいたい、
という町の思惑が透けて見える。
町の説明不足が生んだ今回の事態。
3度目の否決では、落札した企業の仮契約が解除されるなど、
影響も生じた。
備品を巡り町と議会が「二元代表制」の言葉まで持ち出すのも、
理解に苦しむ。
「議会がごねて備品が良くなっただけ」との悪印象さえ与える。
町には、議員らのバックにいる住民一人一人の姿を思い浮かべ、
丁寧に説明する姿勢が求められる。
『京丹波町役場新庁舎整備事業』
2005年の町合併以来最大の懸案で、
老朽化の著しい現庁舎に代わる新たな拠点として
昨年3月着工。木造一部鉄骨造り2階建て延べ4800平方㍍で、
今年8月末完成、10月開庁を予定する。
総事業費は32億円。
〔画像〕令和3年4月15日京都新聞丹波版
※篠塚議員ブログのPDFをJPGに。小野一雄
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blog[小野一雄のルーツ]改訂版
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