【日本珈琲文献小成】昭和13年
著者    日本珈琲文化史編纂所 編
出版者   木村コーヒー店
出版年月日 昭13
[日本珈琲文獻小成]
 木村珈琲店研究部
 日本珈琲文化史編纂所編
 編者 奥山儀八郎
上野 帝国図書舘殿
https://dl.ndl.go.jp/pid/1263552/1/2
木村コーヒー店 東京支店 寄贈本
目次  例言
昭和十三年四月八日
於 谷中螢澤
奥山儀八郎 識
https://dl.ndl.go.jp/pid/1263552/1/3
フイツセル參府紀行
文政五年(西、一、八二二)
阿蘭陀甲比舟ブロムホフ江戶參禮、
フイツセルの參府紀行文に、
キヤピタン携行の食料品中に珈琲の記載あり。

甲比舟が携行く食料品は
葡萄酒及其他の飲料・牛酪・乾酪・燻肉・塩肉・
珈琲・砂糖・香料・燒菓子・甘菓子
其他日本にて得難き物なり。
とある。
而して下關の主人について次の記述を與へてある。

此の旅館主は
フアン・デン・ベルグ(Van Den Berg)と
いへる和蘭雅名を有し、
毫も蘭語を解せざれども好んで和蘭風俗を知得し、
種々の器物を買求めて之を一小室に蒐藏す。
其中には甚だ古く、
傳來の時代不明なるものもあつて、
奇異に分類せられる物もありたり。
されど初日の晝、
我等の食器戸棚が容易に到着せざりしかば、
彼は此等の器物を出して充分我等の用を足せり。

又晩に彼が頗る機嫌よき時は、
彼は和蘭衣服を着て現はれ、
其の樣子は彼の和蘭集品よりも更に奇怪なりき。
云々

編者先年長崎行の歸途、
右の宿舎卽ち下關アミダ寺町伊藤家を訪れた節、
現主人伊藤醇氏の先々々代杢之丞の
https://dl.ndl.go.jp/pid/1263552/1/15
遺物の珈琲茶碗を一見した。
白ヤキ金スヂ入にして圖の如し、
其他、西洋食器類も若干ありたり。
而して、丁度其時は舊盆にあたりたれば、
故人の愛用せる件の珈琲茶碗を水入れとして
佛檀に供へありしなり。
主人の云ふに、
この茶碗はカピタン、ドーフか
又はプロムホフから貰ひたるものなりと。
前記、フイツセルの文と對比するならば、
プロムヒルが食器を借りた禮に茶碗を與へしものか。
 [伊藤家 白燒金スヂ入茶碗]
 p16【日本珈琲文献小成】昭和13年
〔画像〕p16【日本珈琲文献小成】昭和13年
https://dl.ndl.go.jp/pid/1263552/1/16
木村コーヒー店
本店 横濱市中區吉田町五八
    電話 長者町(3)二〇一二番
            五七六四番
支店 東京市芝區田村町四ノ一六
    電話 芝(43)〇九一九番
          二九四六番
   大阪市北區兎我野町三三
    電話 北 五七二九番
   京都市下京區東洞院七條下ル
    電話 下 一九五四番
   名古屋市西區御幸本町二ノ一
    電話 本局一三五四番
   福岡市上市小路町五
    電話   五三五四番
   京城市明治町二ノ二五
    電話 本局三七四六番
   大連市山縣通三八
    電話   三八七九番
   奉天府浪速通五
    電話 奉天二六二三番
   新京祝町三ノ七
    電話   四三七八番
https://dl.ndl.go.jp/pid/1263552/1/27
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