【高校野球優勝物語 (スポーツ新書)】昭和32年
著者    広瀬謙三 著
出版者   ベースボール・マガジン社
出版年月日 1957
  関西の雄、三高の野球大会
大体予選の経過は以上のようなものであったが、
関西の王者三高主催の野球大会のことを補足して、
全国大会以前の概観を終ることとしよう。
三高の大会は十月中旬または十一月上旬に毎年行われ、
関西の諸中等学校は秋の唯一の舞台としていたのであって、
大会の形式はトーナメントでなく
力量の似たチームを主催者が組み合わせるのであった。
各年度の主要な勝敗をあげると
明治三十五年 神戸中学 7-6 愛知一中
明治三十六年 神戸中学 17-8 愛知一中
       神戸商業 4-4 京都一中
明治三十七年 大垣中学  対  膳所中学
       京都一中  対  松山中学
       神戸中学  対  岡崎中学
       愛知一中 8-5 神戸商業
明治三十七年 京都一中 3-3 岡崎中学
※明治38年 大垣中学 12-2 松山中学
       神戸中学 5-3 愛知一中
明治三十九年 神戸商業 9-8 愛知一中
       京都一中 0-0 明倫中学
       大垣中学 13-3 神戸中学
明治四十年  京都一中 4-0 岡崎中学
       明倫中学 2-0 神戸商業
       愛知一中 19-6 神戸中学
       大垣中学 8-3 松山中学
明治四十一年 松山中学 4-1 岡崎中学
       京都一中 4-2 明倫中学
       愛知一中 4-1 堺中学
明治四十二年 愛知一中 3-2 神戸商業
       膳所中学 1-0 愛知一中
明治四十三年 京都一中 8-1 神戸商業
       京都二中 4-1 大垣中学
       膳所中学 9-1 松山中学
       同志社  2-0 神戸一中
明治四十四年 愛知一中 3-3 京都二中
       四日市商業2-2 同志社
       京都一中 5-2 松山中学
※大正1年(明治45年)  諒闇
大正二年   愛知一中 1-0 京都二中
       愛知一中 3-1 京都商業
       京都一中 3-1 市岡中学
       山田中学 2-1 京都商業
       愛知一中 3-3 京都一中
などであって、
強味の中心は名古屋、京都、神戸にあって、
大阪では市岡中学が抬頭していた。

関東は明治三十七年以来茨城県下大会が開かれ、
土浦、水戸、竜ケ崎、太田、下妻と
主催校が一巡して
明治四十一年までで中止したが、
水戸中学はこの間に二度土浦と接戦しただけで全勝、
明治三十八、九年は全盛時代で
明治三十八年東京へ旅行して
慶應普通を六対五、
学習院中等科を八対二でやぶった功名がある。
水戸対宇都宮は明治二十九年十月十七日
まだ素手の時代に、
時の王者一高のコーチを受けて試合をしたことがあり、
横浜商業対静岡中学とともに
整った対抗試合の古いところでは双璧をなしている。
p13【高校野球優勝物語 (スポーツ新書)】昭和32年
p13【高校野球優勝物語 (スポーツ新書)】昭和32年
https://dl.ndl.go.jp/pid/2483477/1/13
図書館・個人送信資料利用可 ログイン中【小野一雄】
【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇