【部落 11(11)(118)】1959-11
出版者 部落問題研究所出版部
出版年月日 1959-11
中川忠次さんの死を悼む
京都市企画室主幹の中川忠次さんが逝くなられた、
実に惜しいことです。
中川さんの名を知らない方でも、
荒木次郎の名をご存じの方は少なくないでしょう。
「部落」誌上で、たびたびお目にかかっていますから。
―略―
中川さんは、大正二年(1913)十月に石川県で生れ、
金沢高校から京大文学部独文科を卒えられましたが、
在学中は社研のメンバーとして、
奈良本所長や藤谷さん、
野間宏さんなどの親友がありました。
昭和十六年(1941)四月に、
京都市役所入りをされ、
社会部に勤務中、
当時、嘱託主事として社会部におられた
朝田(善)さんらと共に、
戦時中の同和行政のあり方について
研鑽と実践を積まれました。
終戦後、企画室副主幹、
民生局保護課長、
民生局庶務課長、
民生局次長、
民生局局長を経て
企画室主幹並に
行政管理委員会事務室長を兼務するなどの
ポストを歴任されましたが、
その間にあって、
いつも同和行政の指導的役割を
果してこられました。
―略―
中川さんは、かつて胸を病んで
大手術をうけられ、
その後リンパ肉腫という病いに侵され
闘病生活をつづけられていたが、
本年(昭和34年)八月末、
京大病院に入院、
現代最高の医術による治療をうけられたが、
再び起つ能わず、九月十九日、
※昭和34年(1959)9月19日
遂に不帰の客となられたのです。
告別式は九月二十一日
京都市六角堂で執行され、
遺志によって供花の数こそ少なかったが、
二千名に達する会葬者がありました。
故人の遺徳が偲ばれます。
(木村京太郎)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2800468/1/29
一九五九年十二月一日発行
https://dl.ndl.go.jp/pid/2800468/1/51
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