[井爪康之]『中世源氏物語注釈史の研究』等
[広島大学 学術情報リポジトリ]
『林逸抄の「草子地」について:その用語の多様性の解明』
著者 井爪康之
NDC 日本文学
掲載雑誌名 国文学攷
号 79号
開始ページ 12
終了ページ 24
出版年月日 1978-09-30
出版者 広島大学国語国文学会
『林逸抄の「草子地」について:その用語の多様性の解明』pdf
井爪康之
(昭和五十三年四月五日改稿)
京都府立園部高等学校教諭
科研費
『中世源氏物語注釈史の研究』
井爪康之 愛知教育大学,教育学部,教授
Project Fiscal Year 1994 – 1994
Keywords 尋流抄 / 花屋抄 / 林逸抄 / 宗祇 / 宗牧 / 宗砌 / 正徹
Research Abstract
中世源氏物語注釈は主として公家と連歌師によって行われてきた。
本研究は、このうち研究が遅れている連歌師の方に重点を置いている。
先ず、連歌師の注釈の特徴を内容面から確定する必要があるので、
両方の注釈を比較検討して、相違点、類似点を明確にする作業を進めた。
この結果に基づいて資料を全国の図書館・文庫に求めて調査に出かけた。
連歌師の源氏物語注釈史上、顕著な特色を為しているのは
宗祇<1421-1503>と宗牧<1545-没>の注であることが、
ほぼ動かないところまで把握できた。
宗祇注は実態が報告されているが、これを原典で確認している中で、
彼の源氏学に大きな影響を与えたのは従来指摘されてきた
兼良の他に宗砌、正徹の二人であることを確信するに至った。
この三人の注がたまたま、尋流抄にまとめて書載されている。
尋流抄は戦前、発見された当時注目されたが、其後ほとんど顧みられなかった。
今回、宮内庁書陵部・歴史民族博物館に所蔵されている該書を調査して
資料として蒐集して宗祇注に与えた影響の考察を急いでいる。
一方宗牧注は休間抄に採録されているが、宗祇注のように注目されていない。
しかし、中世末期から江戸初期にかけての源氏物語注釈、
或は享受史における貴重な資料であることが、
絽巴抄、林逸抄の同期の注釈書と比較すると明らかである。
このほか花屋抄などにも考察を進めて、
宗牧に始まる里村家の源氏学の注釈史おける位置づけを行うつもりである。
連歌師の注釈活動は、彼等の連歌創作活動と不可分の関係にある。
連歌作品が連歌活動の面から、
公刊されている記録類を頼りに側面から源氏物語史の解明につとめた。
https://kaken.nii.ac.jp/en/grant/KAKENHI-PROJECT-06610404/
Web NDL Authorities
国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス
井爪康之, 1939-イズメ, ヤスユキ, 1939-
生年 1939
出典 源氏物語古注集成 第9巻
大学研究者研究課題総覧
http://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/00142796
[訃報 井爪康之先生]
2016年05月21日 | 日本語教育
愛教大に在籍していた時にお世話になった井爪康之先生が、
去る3月下旬にお亡くなりになっていたことを聞きました。
心より、ご冥福をお祈りいたします。
大学3年生の時に愛教大においでになったように思うのですが、
話し方がカッコよかったなーという印象ばかりで、
私が英語の教員免許状を取ることにしていたため、
日本語学の研究者であった井爪先生の授業は、
受講していなかったように思います。
廊下でなんかいろいろ立ち話をしたように覚えています。
当時は、キャップ制があったわけでもなく、
時間に余裕がなかったわけでもなかったので、
今になって思えば、授業を一つくらいとって、
先生の謦咳に触れる時間を取っておけばよかったと思うことがあります。
http://blog.goo.ne.jp/koyangyi/e/de6f959b0fe6dc32ff663c757f828a85