【流転の青春:中国人民解放戦争従軍記】1986
著者    横山甲子蔵 著
出版者   [横山甲子蔵]
出版年月日 1986.4
p1【流転の青春:中国人民解放戦争従軍記】1986
〔画像〕p1【流転の青春:中国人民解放戦争従軍記】1986
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   人民解放軍一七一医院
[一九八四年(昭和59)]十月十三日
朝食もそこそこに仕度して迎えの車を待った。
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私たち旅行団は一七一医院に記念品として
掛時計と血圧計五台を贈った。

私は銭通訳を介して、
足立(道五郎)先生が
今度の旅行に参加できなかった事情を、
[遊]院長はじめ中国側の皆さんに伝えた。

[遊]院長は
「足立大夫はそんなに多忙な仕事をしているのか、
 身体は健康か、
 太太(奥さん)は元気か。」
と矢継早にたずね
足立(道五郎)先生夫妻を気遣っていた。

私は「お二人とも元気ですからどうぞご安心下さい。」
と重ねて伝えた。
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政治委員が盃を手に立ちあがり
「中日友好万歳」と乾杯の音頭をとった。
それにつづき全員で声高らかに乾杯の盃を干した。

[遊]院長も立ちあがって、
「足立大夫身体健康」と乾杯の盃をかかげると、
また全員がそれにつづく。
中国に人たちはこうした晩餐会では乾杯をよくやる。
あちらでもこちらでも乾杯、乾杯の声があがる。
[遊]院長の目が涙で光っていた。
横に座る太田団長もハンカチで目頭を押さえていた。
無理もない二人は当時院長、主治医生としてともに
この医院の建設に盡してきた間柄だった。

宴たけなわのころ、
[張績仲]副院長が珍しい物を持ってきて見せてくれた。
それはあのころ治療に当った
抗美援朝志願軍負傷兵の病歴表(カルテ)だった。
そこには傷病名や傷の程度、
そしてそれぞれの医生が行った治療の経過や、
護士の看護記録が詳しく記入され、
主治医生の承認印やサインがそのまま残っていた。

足立(道五郎)先生の印影や、
太田先生のサインを見たとき、
三十余年前のあのころに戻ったような錯覚にとらわれた。

[張]副院長は
「あのころの病歴表や統計表など
 記録した物は全部保管してある。」
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といい、さらに
「安田同志の画いた
 毛沢東首席の肖像画も大切に保管して
 ある。」といった。
その肖像画は一九五一年(昭和26)十月一日
第三回国慶節祝賀に安田さんが画いたものであった。
これを聞いた安田さんは
とびあがらんばかりに喜び感激していた。
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<写真>一九八四年(昭和59)十月十三日
1984.10.13 九江一七一医院にて
右より
筆 者 横山甲子蔵
王子玉 元護理科主任
妻   横山トシ子
p215【流転の青春:中国人民解放戦争従軍記】1986
〔画像〕p215【流転の青春:中国人民解放戦争従軍記】1986
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  あとがき
多年の念願であった「流転の青春」を書き終り
肩の荷がおりた思いである。

拙著に過分な序文をお書き下されました
足立(道五郎)先生・※[序文]足立(道五郎)先生

太田先生はじめ、 ※[序文]太田修輔
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貴重な資料や写真をお寄せ下された方々、
またややもすれば鈍りがちになる筆に、
叱咤激励の鞭を当ててくれた諸友の友情に
深く感謝申し上げます。

本書の出版に当って種々お骨折り下された
中信凸版印刷株式会社の各位、
とりわけ終始ご盡力いただいた
平沢課長様に深甚なる謝意を表します。

なお題字は「峯玉」の雅号で書を学ぶ
姪の米窪京子が筆を染めてくれました。
一言「有難う」を申し添えたい。
 一九八六年(昭和61)二月
       横山甲子蔵
p238【流転の青春:中国人民解放戦争従軍記】1986
〔画像〕p238【流転の青春:中国人民解放戦争従軍記】1986
https://dl.ndl.go.jp/pid/12177141/1/238
流転の青春 横山甲子蔵著
頒 価 4,000円
「流転の青春」
 中国人民解放戦争従軍記
1986年3月30日 印刷
1986年4月15日 発行
著 者 横山甲子蔵
〒399  長野県松本市芳川小屋256-9
    TEL 0263-58-9203
印刷所 中信凸版印刷株式会社
〒390  長野県松本市城西1丁目2-2
    TEL 0263-32-4209
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