【野球年報 第7号】明治42年
著者    野球年報編纂部 著
出版者   伊東卓夫
出版年月日 明35-大1
p1【野球年報 第7号】明治42年
〔画像〕p1【野球年報 第7号】明治42年
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 東京倶樂部試合記事
明治四十二年度 四月四日 對神戸倶樂部(於羽田運動場)
        1回戦  東京(1点)対 神戸(5点)
        四月五日 對神戸倶樂部(於羽田運動場)
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〔画像〕p14【野球年報 第7号】明治42年
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  對神戸クラブ
(明治42年)四月二日に東上した神戸軍は、
雨の爲めに一日延びて四日、五日の兩日に
東京と新設の羽田グランドに相見えた、
羽田の運動場は京濱電車が非常な金を投じて、
經驗のある人々が設計をしたのだから、
本邦一の模範的グランドに違ひない、
が未だ完成して居ない、
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排水の設備も充分でない故に
此の試合を行ふ時には連日の雨で
水が大分溜つて居た、

スタンドの上から
洋々たる東京灣が手に取る樣に眺められる、
夏なんかは試合を見たり
海水浴をしたりする事が出來る、

此の試合を以て開場式にするとの事で、
四方に日章旗を飜へし
ドンドン煙火を上げる、
樂隊が興を添へるなど大した景氣であつた、

觀客は兩側のスタンドから外野の方へは
翼を張つた樣に人でもつて埋まり、
盛んに拍手を以て是れを迎へた、

神戸軍は流石早慶の選手が居る丈けあつて
中々侮り難い、
遂に一對五で敗つて終つた。

先づ東京軍が攻めて得點がなく
代つて神戸軍が攻めると、
輕快な佐々木が三壘の方へバントを打つて
一壘に辷(すべ)つてセーフと、
高濱がバントを試みやうとして
投手グランダーになつた處が
何うしたものか押川が落したので又セーフ、

觀者は頻(しき)りと東京軍に應援する、
二壘に居る佐々木、
例の猛烈なスチールを三壘に試みた、
東京軍の捕手山脇君何んで逃すべき、
忽ち三壘に是を葬つた、
すると菅瀨又バントで
高濱を二壘に送つて自分も生きる、

續いでボツクスに立つたのは
往年早大に勇名を轟かした泉谷、
忽ち物凄い、
痛快な遊撃と三壘の間の安全球は二壘打、
神戸軍は忽ち二點を得、
奈良崎が二壘と中堅の間へ飛球を打つと、
河野が落して三壘と二壘を敵に與へる、
すると松田君がバントして
泉谷をホームに送つて茲に三點を得た、

(明治42年)四月四日午後四時より
 審判 西尾守一 阿部喜十郎 兩氏
<東京倶樂部>(東京軍)
4 中野
2 山脇
5 福田
6 櫻井
3 押川
8 河野
9 田部
7 吉川
1 三島
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<神戸倶樂部>(神戸軍)
6 佐々木
7 高濱
1 菅瀨
3 泉谷
9 奈良崎
2 松田
4 藤田
8 日向
5 高濱(弟)

東京軍は二回に河野が球を利して出で
二壘のエラーで三壘まで取ると、
田部が三振した後で
吉川がヒツトで一壘の頭を抜いて一點を得た、
是れが後にも先きにも只一つの得點であつた、
而も神戸軍の景氣は凄い程で、

 東京對神戸クラブ第一回試合當日ノ選手
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〔画像〕p27【野球年報 第7号】明治42年
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五回に佐々木四球を得て
高濱の犠牲球で二壘を得る、
すぐ又福田が菅瀨グランダーエラーで三壘に行く、

泉谷がヒツトエンドランを遣らうとしたが
三島は捕るより早く山脇に渡す、
佐々木は辷(すべ)つたが遲かつた、
然し菅瀨と泉谷は盗壘をやつて三壘と二壘に居る、

次の奈良崎君が痛快なヒツトで右翼オーバーしたので
又二點、
抜かれた田部は直ちに三壘に奈良崎を刺したのは
流石に昔取つた杵柄だ
夫(それ)だから兩軍とも一生懸命に攻め合つたが
遂に得點がなく、
東京軍四點の差で敗れた。
https://dl.ndl.go.jp/pid/860552/1/28

明治四十二年八月 二十日印刷 定價 金四拾錢
明治四十二年八月二十四日發行 郵税 金 六錢
著作者 野球年報編纂部
    東京市本郷區本郷五丁目十番地
    美滿津商店内
發行者 伊東 卓夫
    東京市本郷區本郷五丁目十番地
印刷者 中野鍈太郎
    東京市京橋區南小田原町二丁目九番地
印刷所 東洋印刷株式會社
    東京市芝區愛宕町三丁目二番地
https://dl.ndl.go.jp/pid/860552/1/233
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