【厚生ストリート】1992
著者 「月刊厚生」編集部 編
出版者 中央法規出版
出版年月日 1992.5
https://dl.ndl.go.jp/pid/13143318/1/3
アメリカの代議士スタッフとして、
1年半に渡って連邦議会の内側を見てきた高市さん。
比較してみることで、
日本の姿も分ろうというもの。
アメリカの福祉と公務員についてお聞きした。
高市早苗さん
日本は公務員が優秀な分、人が頼ってしまう。
アメリカは逆、役所が信じられないから
自分たちでやろうとする。
https://dl.ndl.go.jp/pid/13143318/1/52
ボランティア世界も、アメリカはコマーシャルの国。
相互の利用も巧み。
高市 ところで、福祉事業も
経営感覚みたいなものは抜きにして
運営するのは難しいのかもしれませんね。
私はアメリカで結構孤児院に寄付したんです。
https://dl.ndl.go.jp/pid/13143318/1/53
納税者意識が、
バランスをもって発達しているアメリカ
日本の公務員は ダサイ イメージ。
でも、優秀で格好よかったら逆に反感も
高市 私も公務員の家庭で育ったから、
あまり悪くも言いたくないのだけれど。
一般的に、例えば私にお見合いで
公務員の人の話が来たとしましょう。
たぶん服はダサイのだろうなとか、
ズボンの丈は短くてタックがなくて、
ネクタイなんかもここにエクボがなくて、
今時すごく細いネクタイをしていたりとか
いろんなことを想像しますね。
それから、四角四面で仕事が遅い、
お役所仕事、たらい回し……すみません(笑)。
高市 しかしこれはあくまでイメージで、
アメリカの官僚と仕事をしてから、
考えがちょっと変わりました。
日本の官僚はとても優秀。
勉強してかなりの大学を、
それも相当な成績で出ている。
だからそんなに
あかぬけていたらおかしいですよ。
逆に格好がよくてセンスが良かったら
本当に反発を買っちゃいますよ。
あれでダサイからまあいいかって納得してる。
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ところが向こうへ行って仕事をしたら、
アメリカの役人は、
日本の官僚とは比べものにならないくらい
程度が悪いのですよね。
各省庁の一部の人、上層部はとにかく
バリバリの政治任命ですから、
超エスタブリッシュメントというやつなんですけれど、
その下はどうしようもない。
民間で使いものにならない人が
公務員になるということですから、
「私のボーイフレンド国務省なの」
と言ったら、
「ゲッ、ダサ~イ」なんてね。
国務省に勤めても、
政治任命とかそれに近いようなポストで
2~3年で辞めれば、
それは格好いいのですよね。
公務員から民間に抜かれたというのは
超エリートなんですね。
ところがもう10年間も国務省で働いているといったら
女の子なんか相手にしないですもの。
高市 向こうにもお役所仕事という言葉があって、
たらい回し、縄張り主義、
仕事の遅さは定評があります。
郵便局なんかでもしょっちゅうストをしては
クビになったりするから、
日本へ帰ってきて、
ああなんて日本の官僚って優秀なんだろうというか、
やっぱりエリートなんだみたいなことは感じます。
(1991・5・15収録)
(たかいち・さなえ)
1961年奈良県生まれ。
神戸大学経営学科卒業後、松下政経塾に入門。
1987年秋、単身アメリカに渡り、
パット・シュローダー下院議員のスタッフとして
連邦議会(キャピトル・ヒル)で働く。
日本人初の連邦議会立法調査官として活躍。
帰国後、『アズ・ア・タックスペイヤー』(祥伝社)、
『アメリカの代議士たち』(主婦の友社)などを発表。
https://dl.ndl.go.jp/pid/13143318/1/55
厚生ストリート
平成4年5月20日発行
発行者 荘村多加志
発行所 中央法規出版株式会社
〒151 東京都渋谷区代々木2-27-4
電話 03-3379-3861
印刷・製本 大日本印刷株式会社
定価:2000円(本体価格1942円)
https://dl.ndl.go.jp/pid/13143318/1/174
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