[阿部鶴五郎;阿部商店]【東北醸造家銘鑑. 第1巻】大正13年
【東北醸造家銘鑑. 第1巻】大正13年
[阿部酒店] p77/110
所在地 福島縣相馬郡小高町六十五番地
電 話 二番
醸造種類 淸酒
醸造石數 二百五十石
阿部鶴五郎氏は相馬郡小高町の舊家で
現に福島電燈株式會社の取締役である。
同家の醸造は舊幕時代の創業に係り
同氏の祖先が相馬侯の御宿を爲したる廉に依り
始めて醸造を許可されたと云ふ
由緒ある歷史を有し
逐年發展し來たのである。
明治三十年頃には各醸造家は淸酒と稱して
販賣して居つたのであるが
同氏は其水質の優良なるより
品質佳絶嶄然頭角を顯したるに鑑み
茲に始めて銘酒として世に出したのである。
同地方に於ては阿部氏を以て
銘酒醸造の嚆矢とする。
同氏醸造に係る銘酒『入船』は
品質優秀の故を以て好評を博し
各博覽會共進會等に出品して
一等を受賞して居る。
製品の販路は地方を主とし
縣外は目下極く若干に過ぎぬが
近く醸造場を擴張し設備を完全し
品質の改良向上を計り
販路の大擴張を爲す計畫だと云ふから
目覺ましい發展を見るであらう。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/918878/77
大正十三年十一月 八日印刷
大正十三年十一月十三日發行
定價 金貮圓五拾錢
編輯者 田子健吉
發行者 菅野宗一
福島市狐塚十六番地
印刷者 山口保治
福島市大町七十九番地
印刷所 株式會社福島民友新聞社
福島市大町七十九番地
發行所 東北醸造家銘鑑刊行會
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/918878/108
【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』