【盆栽水石の鉢・水盤・卓】1974
著者 日本盆栽協会 編
出版者 三省堂販売
出版年月日 1974
175 蕎麦釉丸(小野義眞作)
14×8.3
https://dl.ndl.go.jp/pid/12439944/1/34
〇小野義真
名品とされ珍重されている小野鉢のほとんどは丸鉢です。
しかし、そのロクロの技術、釉薬の特殊さは
他の鉢の追従を許さない厳しさを持っていると云えます。
元来 日本鉄道の社長の重任を負い、
人格、名声共に知名な人のわりに、
その経歴等余りにも不明な点が多かったのですが
もちろん小野義真は陶工ではない、
アマチュアの最高峰とでも云う存在か。
前述したように国鉄の前身である
日本鉄道株式会社の三代目の社長を勤められた人で、
天保十年(1839)土佐幡多郡宿毛(現宿毛市)に
士族 小野安兵衛義信の子として生れ、
四人兄弟の長男であります。
三十才の頃、しばらくの間、
官界に身を置いて土木事業にたづさわったが、
その後官界を去り三菱会社に入り
財閥 岩崎弥太郎の股肱となり、
その手腕を縦横に振るい、
大隈重信侯とも昵懇の間柄だったようで、
東京橋場の本邸のほか、
向島の別邸、
関屋の別荘があったようです。
橋場の本邸に窯を築き
瀬戸の陶工、加藤正吉を従いて
この小野鉢が生れた訳で、
その釉薬などには並なみならぬ苦心があったようです。
小野鉢には[ひらがな]、
或は
[片カナ]などの符合が見られますが、
これは何のために入れたものかよく判っていません。
尚[どくろ]の中に正の字を入れた落款がありますが、
これは加藤正吉のものとされています。
明治三十八年(1905)五月胃癌のため他界されました。
https://dl.ndl.go.jp/pid/12439944/1/59
盆栽水石の 鉢・水盤・卓
定価2900円
発行所 社団法人 日本盆栽協会
東京都台東区上野公園3番42号
発売元 三省堂販売株式会社
代表者 亀井 要
〒101 東京都千代田区神田神保町1の41
電話03-292-1481(代)
振替口座 東京9390
製 作 大塚巧藝社
印 刷 昭和49年1月 9日
発 行 昭和49年1月10日
https://dl.ndl.go.jp/pid/12439944/1/65
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