[紅葉館の善美:杯泥棒頻々]
【新聞集成明治編年史. 第四卷】昭和15年
【新聞集成明治編年史. 第四卷】昭和15年10月20日限定再版発行
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1920347/289
明治十四年五月(皇紀二五四一 西暦一八八一)
[紅葉館の善美:杯泥棒頻々] p222/292
〔五・四、東京横濱毎日〕
芝公園地内の紅葉館は、
朝野の紳士が淸閑の日相會して宴席を開き、
互に歡娯を盡さんとて設けられたる所なれば、
其結構の壯麗なる壯飾の燦爛たる
實に目を驚す計りにて、
殊に杯盤膳具の如き最も善美を盡くし、
何れも髙價の品なるが、
開宴の際盃の紛失すること數々なるにより、
同館にても深く注意を加へ
種々手を盡くして捜索さるゝとのことなれど、
何者の所爲なるか今に判然せざる由、
尤も近頃新橋邊の在る旗亭にて、
同館の盃を見受けたるものありとの?なるが、
這は賓客が醉後の戯に持去りて
此旗亭に與へたるならん、
何せよ同館にては餘程困り居らるゝよし。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1920347/222
11. 芝・紅葉館(芝)
―略―
上流の者でもめったに紅葉館には入れなかったので、
たまにビジタ-として訪れる者が
紅葉館の備品を失敬する事が多かったという。
特に杯は人気で、酔った勢いで持ち出した杯を
2次会の新橋あたりの料亭において帰る者が多く、
紅葉館もあまりの紛失ぶりに苦慮したらしいが、
結局他の高級料亭に置いて行かれた杯も
紅葉館の名をさらに高める効果をもたらしたという。
―略―
http://deepazabu.com/m1/mukasi/kinrin.html
【新聞集成明治編年史. 第四卷】昭和15年
【新聞集成明治編年史. 第四卷】昭和15年10月20日限定再版発行
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1920347/289
明治十四年五月(皇紀二五四一 西暦一八八一)
[紅葉館の善美:杯泥棒頻々] p222/292
〔五・四、東京横濱毎日〕
芝公園地内の紅葉館は、
朝野の紳士が淸閑の日相會して宴席を開き、
互に歡娯を盡さんとて設けられたる所なれば、
其結構の壯麗なる壯飾の燦爛たる
實に目を驚す計りにて、
殊に杯盤膳具の如き最も善美を盡くし、
何れも髙價の品なるが、
開宴の際盃の紛失すること數々なるにより、
同館にても深く注意を加へ
種々手を盡くして捜索さるゝとのことなれど、
何者の所爲なるか今に判然せざる由、
尤も近頃新橋邊の在る旗亭にて、
同館の盃を見受けたるものありとの?なるが、
這は賓客が醉後の戯に持去りて
此旗亭に與へたるならん、
何せよ同館にては餘程困り居らるゝよし。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1920347/222
【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』
11. 芝・紅葉館(芝)
―略―
上流の者でもめったに紅葉館には入れなかったので、
たまにビジタ-として訪れる者が
紅葉館の備品を失敬する事が多かったという。
特に杯は人気で、酔った勢いで持ち出した杯を
2次会の新橋あたりの料亭において帰る者が多く、
紅葉館もあまりの紛失ぶりに苦慮したらしいが、
結局他の高級料亭に置いて行かれた杯も
紅葉館の名をさらに高める効果をもたらしたという。
―略―
http://deepazabu.com/m1/mukasi/kinrin.html