【アジアレポート 28(325)】平成12年(2000-07)
出版者 マスコミ総合研究所
出版年月日 2000-07
陳水扁氏の総統就任演説を読んで p16-19/33
中村勝範
慶應義塾大学法学部政治学科卒業
法学博士。慶應義塾大学法学部教授
https://dl.ndl.go.jp/pid/4430701/1/16
民進党国際部長で、
陳水扁総統の政治ブレーンである蕭美琴氏は
「ハッとするほどの美貌の持主」で、
二十八歳の女性である。
コロンビア大学政治学科出身、
二十四歳で民進党の駐米代表処に勤務、
二十五歳で民進党国際副部長として台湾へ招かれ、
二十六歳で国際部長、
民進党中央本部のなかで最年少の幹部となった。
昨年四月、陳水扁氏が訪米した時、
通訳、秘書、政治分析者として同行し、
陳水扁氏から強い信頼を得た。
この陳水扁総裁の政治ブレーンであり
台湾のニューリーダーである彼女は、
日本にほとんど興味を示さず、
あっけからんと、
「私は、日本よりもアメリカを重視しています」
と言ってのけるという。
ニュースキャスターの蓮舫女史が伝えている
(SAPIO 6・28)
蕭美琴氏は日本より米国を重視する理由として、
米国は台湾関係法を持っていて、
米中関係が穏やかなときも、
非常に気まずくなったときも、
台湾を重視し、
密接な関係を保ってくれるのに対し
「日本の大陸寄りの政策には、非常に不満です」
と言い切っている。
ついでに、
「はっきり言って、日本は台湾軽視です。
だったら、
今までのような特殊な愛情を持った関係を見直して、
これからは
ほかの諸外国と同じ関係にしていくでしょうね」
とつづけている。
台湾は李登輝的日本への「特殊な愛情」をやめて、
韓国かロシアに対すると同様な
冷めた関係にしていくだろうというのである。
蕭美琴氏のこの日本批判に
異議を唱えることができる日本人はいるだろうか。
―略―
先の蓮舫女史は、
日本は「情」の部分で
台湾と手をつないできたが、
法的「理」と経済的「利」の部分で
中国に顔を向けていたと分析する。
その上で蓮舫氏は
「そのつないだ手を、台湾の側から切ってきた。
そして、アメリカと両手でつながろうとしている」
とつづける。
台湾から親日派がいなくなり、
親米派で固められるのは、
蕭美琴氏が言うように
日本は中国に寄りすぎるからである。
陳水扁氏も総統選挙中に日本に対し
「ひとつだけ(日本に対して)違和感があります。
それは、中国を恐れすぎること。
日本が中国の反応を気にしすぎていることです」
とインタビューに答えた、
と蓮舫女史は報告するが
「ひとつだけ」というのは
控え目な社交辞令ととっておくべきであろう。
https://dl.ndl.go.jp/pid/4430701/1/18
ASIAN REPORT
2000.7.15 No.325
編集者 マスコミ総合研究所 編集委員会
発行者 藤田誠子・倉田信靖
発行所 マスコミ総合研究所
東京都港区赤坂6-15-1(赤坂ミツワビル5F)
電話(3584)1108/振替口座 東京3-170508
印刷所 株式会社みづほ
p32【アジアレポート 28(325)】2000-07
https://dl.ndl.go.jp/pid/4430701/1/32
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[世界経済評論IMPACT]
蕭美琴物語
:駐米大使の最有力副総統候補者
朝元照雄
九州産業大学 名誉教授)
2024.01.08
2024年1月13日に台湾総統直接選挙が行われ,
与党民進党の頼清徳と美琴は総統と副総統のペアで立候補。
選挙の結果はまだ判明していないが,
仮に当選後,頼清徳と美琴は
台湾を国際舞台の高みへと牽引することが期待されている。
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JIJI.COM 2024年5月29日(水)
頼清徳氏と蕭美琴氏
(2024年5月)20日、
台北で行われた就任式で手を振る
台湾の頼清徳新総統と蕭美琴副総統。
【EPA時事】
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