[大東亞戰爭と放送]【ラジオ年鑑. 昭和18年】日本放送協會
【ラジオ年鑑. 昭和18年】
〔表紙〕昭和十八年 p3/231
ラジオ年鑑
日本放送協會編
[大東亞戰爭と放送] p23-25/231
概 説
我國の放送は、
滿洲事變及支那事變を夫々契機として、
内容的にも將又形態的にも急速に所謂
戰時色を帶ぶるに至つたことは周知の通である。
兩事變を通じて、
放送はその全機能を動員し、
或は事變の眞相、
推移を逸早く國民に傳へて與論の指導統一に寄與し、
或は聖戰の意義を中外に宣揚して
帝國不動の立場を明かにし、
或ひは國民士氣の昂揚を期して
健全明朗なる慰安を與へる等
專ら聖戰目的の達成に力を致し、
國家國民の與望に應へて來たのである。
然し乍ら、
此の時代に於ける放送は、
聖戰完遂の一翼として、
全面的に事變の渦中に置かれてゐた
といふ自意識が未だ充分ならず、
いはば聖戰完遂への追從的跛行的樣態を
示したものと云へないこともない。
然るに、今次大東亞戰爭の勃發を見るや、
乾坤一擲、
放送は戰爭そのものの渦中に突入したのであつて、
戰時下日本の放送の正にあるべき姿が茲に初めて
その精神と形態とを整へたと云ふべきである。
このことは、
恰も今次大東亞戰爭が皇紀二千六百年の
榮ある歷史に更に炳たる光輝を加へたと同樣に、
我が放送事業史にも亦、
絶大無二の記錄を止めることとならう。
云ふまでもなく、
現代戰に於ける放送の役割は、
思想戰的性格の發揚にあり、
大東亞戰爭下皇軍の神速果敢なる作戰と
赫々たる戰果の擴大に呼應して、
或は國民精神結合の紐帶として、
或は占領地域に對する宣撫、
文化
工作の一翼として、
或は敵國側の宣傳謀略に對抗する姿なき武器として、
放送の擔ふべき責務と使命は洵に
重大であると云はねばならない。
殊に今次戰爭は、
大東亞共榮圏の確立を期する爲の
文化建設戰の意義を有するが故に、
放送がその有力な推進機關として、
全面的に飛躍的段階に入つたことは否定し得ない。
大東亞戰爭下放送が如何なる計畫の下に
其の機能を最高度に働かせたか、
左にその概略を述べることとする。
國内放送 p24/231
―略―
東亞中繼放送 p24/231
―略―
海外放送 p25/231
―略―
[放送番組の企畫竝に編成] p25/231
―略―
情報局、業務局連絡會議の設置 p25/231
―略―
全中番組發局の限定 p25/231
―略―
昭和十八年 ラジオ年鑑
定價金壹圓參拾錢
昭和十八年一月二十五日初版印刷
昭和十八年一月 三十日初版發行
(一萬三千部)
出文協承認三七〇三九八號
編輯者 社團法人 日本放送協會
松田儀一郎
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發行兼 株式會社 日本放送出版協會
印刷者 和田利彦
東京市芝區田村町一丁目四番地
發行所 株式會社 日本放送出版協會
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