[E.ソロモン:財務管理論]別府祐弘 訳

[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳(6/6)

〔訳者紹介〕<主要著書>
[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳:同文舘
平成13年12月25日 15版発行
〔訳者紹介〕
 別府祐弘(べっぷ ゆうこう)
1936年 東京都港区に生まれる
1960年 早稲田大学第一政治経済学部経済学科卒業
1966年 一橋大学大学院商学研究科(経営学専攻)博士課程単位取得
1969年 成蹊大学経済学部助教授
1972年6月~1974年9月
    スタンフォード大学経営大学院客員研究員
1975年 成蹊大学経済学部教授(経営財務論、経営学総論、経営計画論)
    早稲田大学政治経済学部講師(経営学、演習)
    現在に至る
1977年 ワシントン大学経営大学院客員教授
1989~90年 ペンシルヴァニア大学ウォートンスクール、
      フルブライトスカラー
<主要著書>
『経営計画』(古川栄一ほか共著)、
 同文舘、1963年
『企業成長と財務政策』(古川栄一ほか共著)、
 同文舘、1967年
『企業と経営』(鈴木英寿ほか共著)、
 ダイヤモンド社、1974年
『経営学の学び方・考え方』(岡本康雄ほか共著)、
 中央経済社、1981年
『経営用語辞典』(柴川林也編)、
 東洋経済社、1991年
Financial Optimization(H.M.Markowitz ほかと共著)
Cambridge University Press,1993
『ビジネス経営学辞典』(二神恭一ほかと共著)、
 中央経済社、1997年
『人材開発辞典』(二神恭一ほかと共著)、
 キャリアスタッフ(株)、1998年
『経営財務情報の経済分析』(日本経営財務研究学会編)、
 中央経済社、1999年
『企業と経営』(二神恭一ほかと共著)、
 八千代出版、2000年など

平成13年12月25日15版発行 略称―財務管理
 ソロモン
 財務管理論
監修者 古川栄一
訳 者 別府祐弘
発行者 中島朝彦
発行社 同文舘出版株式会社
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳(5/6)

<訳者あとがき 別府祐弘>
[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳:同文舘
訳者あとがき(初版~10版)189~192頁

PDF:[財務管理論](5-6)

<訳者あとがき 別府祐弘>
訳者は、著者のエズラ・ソロモン博士と懇談し、
短い時間ではあったが、
親しく教えを受ける機会を得た。
最後に同博士について簡単に御紹介して、
あとがきに代えたい。
〔略歴〕
1920年3月20日  ビルマのラングーン市に生れ、
        当年(1971年)51才である。
1940年     ラングーン大学を卒業し、文学士号を受ける。
        その後同大学で経済学担当教官として勤務中、
        第二次世界大戦が起り、
        家族とともにインドへ渡り、
        英国海軍志願兵予備隊ビルマ分隊に5年間従軍し、
        砲艦の艦長などを勤めた。
        大戦後、ビルマ政府の派遣で米国へ渡る。
1949年     シカゴ大学経営大学院の助手になる。
1950年     專攻を国際経済学から財務論に切り換え、
        シカゴ大学より財務論でPh.Dを授与され、
        ただちに同大学経営大学院、
        財務論担当助教授に就任する。
1952年6月3日  米国に帰化する。
1953年     U.S.Sennate Curreency and Banking Committee
        の委員となる(1959年まで)
1954年     シカゴ大学経営大学院、准教授となる。
1957年     シカゴ大学経営大学院教授に昇進する。
1961年     スタンフォード大学経営大学院、
        財務論担当教授に転じる。
1962年     同大学に国際マネジメント教育振興センターが
        設置されると同時に、
        その初代所長となり、
        在任中、外国の経営学部教職員の間から
        研修生を募るために広く各国を旅行し、
        その間イタリア、コロンビア、アルゼンチンなどの
        大学で客員教授を歴任した。
訳者あとがきp189
※クリックで拡大
〔画像〕訳者あとがきp189

そしてまた、国際貿易・国際通貨の分野で
各国の専門家と接触を保つようになった。
ソロモン博士によると、
財政政策よりもむしろ金融政策の活用を提唱する
経済学者ミルトン・フリードマンの本拠である
シカゴ大学との結びつきが、
博士の考え方に影響を与えたことを自認している。
しかし博士は、フリードマン派とよばれることを好まない。
1971年8月
米国大統領経済諮問委員(国際問題担当委員)となり、
出向の形でワシントンに在勤している。
(博士によれば、1973年まではスタンフォード大学に
もどれないだろうとのことである。)

大統領経済諮問委員に任命されるまでの1年半の間、
博士は、大統領の財政機構財政規則委員会委員を勤め、
2月に提出された経済諮問委員会の1971年度年次報告の作成に
コンサルタントとして協力した。
博士はまた、米国公認会計士協会の経済顧問、
Journal of Quantitative and Financial Analysis 誌と
英国のJournal of Business Finance 誌の編集委員であり、
American Economic Association, American Finance Association
のメンバーでもある。
訳者あとがきp190-191
※クリックで拡大
〔画像〕訳者あとがきp190-191

本訳書の筆をおくにあたって、
監修者古川栄一博士に心からお礼を申し上げます。
本書を拙いながらも訳出することができましたのは、
ひとえに学生時代以来の先生の御指導の賜であります。
また、多くの御指導を頂きました諸先生方、先輩、同僚、
後輩諸氏に厚く御礼申し上げます。

諸般の事情により、本書の原稿が大幅に遅れましたために、
大変御迷惑をおかけした同文舘出版株式会社、
中島朝彦専務取締役、吉川時男氏はじめ出版部の方々には
心からのお詫びを申し上げますとともに、
多大の御援助と忍耐強い御協力に深く感謝の意を表します。
1971年  湘南台にて  別府祐弘
訳者あとがきp192
※クリックで拡大
〔画像〕訳者あとがきp192
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳(4/6)

<コンピューター雑感 別府祐弘>
[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳:同文舘
平成13年12月25日 15版発行

PDF:[財務管理論](4-6)

 コンピューター雑感 p209-211

コンピューターは、
1940年代に米国ペンシルヴァニア大学の院生
(直後にIBM社副社長)によって發明され、
第2次世界大戦中に戦略計画の策定に援用されたことが引き金になって、
その後の驚異的な技術的発展と普及に導かれたことは、
周知のところである。

私とコンピューターとの出会いは、
今から40年近い大昔の院生1年目の秋のことであった。
当時日立製作所が一橋大学に大型コンピューターを寄付してくれ、
その講習会でコボルに取組まされて四苦八苦したのが、
懐かしく思い出される。

その時若気の至りで、講師の日立の社員に、
「こんな高価なものを寄付して、貴社は引合うのですか。
どんな原価計算をしているのですか」
という多少無礼な質問をしたものである。

それに対して彼は平然と答えた。
「原価計算なんてできるものではない。
とにかく国産コンピューター・メーカー6社
全てが真っ赤なのですから、
そしてこの状態が今後10年以上続くことは保証できます。
それにも拘わらず、われわれがこれを造り続けているのは、
もしそれを止めたら、
20年後に売れる製品が無くなってしまうからです。


コンピューターはその使われ方が重要なのであり、
どのような使い方がありうるのかを
大学で試して頂きたいのです。」

半信半疑で聞いていたこの言葉の意味を
その後嫌という程思い知らされたことになる。

1972~74年にスタンフォード大学で在外研究をしたが、
当時既に在外研究目的を
「コンピューター・シミュレーションによる財務計画の編成」
として申請せざるをえなかった程、
われわれの専門領域はその内容を、
コンピューターを前提としたものに激変させていたのである。
コンピューター雑感p209-50
※クリックで拡大
〔画像〕コンピューター雑感p209

しかし本場は想像以上であった。
ある夜パロアルトのW.シャープ教授
(資本資産評価理論で1990年ノーベル賞受賞)の家で、
研究室所属の院生を混えてパーティーをやっていたが、
10時を過ぎると皆そそくさと帰り仕度を始めた。
情報処理センターへ行くのだと云う。
何事かとついて行ってみると、
巨大なセンターが深夜に若者でゴッタ返しているではないか。
彼等が一番自由に使えるのは、
この時間から明け方にかけてだからと云うのである。
センターは文字通り、24時間フル回転していて、
これを抜きにして、
大学の研究教育活動のありえない実情を目の辺りにして、
驚嘆したものである。
 ―略―
別府祐弘「コンピューター雑感」
『成蹊大学 情報処理センターニュース』第35号、1998年11月。
コンピューター雑感p210-211-50
※クリックで拡大
〔画像〕コンピューター雑感p210-211
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳(3/6)

<〔付録〕財務管理論の進路 別府祐弘>
別府祐弘

[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳:同文舘
平成13年12月25日 15版発行
[財務管理論]表紙-50
※クリックで拡大
〔画像〕[財務管理論]表紙

[E.ソロモン:財務管理論]平成13年 15版発行



〔付録〕財務管理論の進路 p189-208
    別府祐弘

〔付録〕財務管理論の進路 p189-50
※クリックで拡大
〔画像〕〔付録〕財務管理論の進路 p189
〔付録〕財務管理論の進路 p190-191-50
※クリックで拡大
〔画像〕〔付録〕財務管理論の進路 p190-191
〔付録〕財務管理論の進路 p192-193-50
※クリックで拡大
〔画像〕〔付録〕財務管理論の進路 p192-193
〔付録〕財務管理論の進路 p194-195-50
※クリックで拡大
〔画像〕〔付録〕財務管理論の進路 p194-195
〔付録〕財務管理論の進路 p196-197-50
※クリックで拡大
〔画像〕〔付録〕財務管理論の進路 p196-197
〔付録〕財務管理論の進路 p198-199-50
※クリックで拡大
〔画像〕〔付録〕財務管理論の進路 p198-199
〔付録〕財務管理論の進路 p200-201-50
※クリックで拡大
〔画像〕〔付録〕財務管理論の進路 p200-201
〔付録〕財務管理論の進路 p202-203-50
※クリックで拡大
〔画像〕〔付録〕財務管理論の進路 p202-203
〔付録〕財務管理論の進路 p204-205-50
※クリックで拡大
〔画像〕〔付録〕財務管理論の進路 p204-205
〔付録〕財務管理論の進路 p206-207-50
※クリックで拡大
〔画像〕〔付録〕財務管理論の進路 p206-207
〔付録〕財務管理論の進路 p208-50
※クリックで拡大
〔画像〕〔付録〕財務管理論の進路 p208
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳(2/6)

<序文 目次>
[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳:同文舘
平成13年12月25日 15版発行
PDF:[財務管理論](2-6)
[財務管理論]表紙-50
※クリックで拡大
〔画像〕[財務管理論]表紙

Ezra Solomon-20
※クリックで拡大
〔画像〕Dr.Ezra Solomon


序文 Ⅴ p5
序文 p5-50
※クリックで拡大
〔画像〕序文 p5
 序文 ⅵ-ⅶ p6-7
序文 p6-7-50
※クリックで拡大
〔画像〕序文 p6-7
 序文 ⅷ p8 目次 ⅸ p9
序文 p8 目次p9-50
※クリックで拡大
〔画像〕序文 p8 目次p9

 目次 ⅸ-ⅺ p9-11
目次 p10-11-50
※クリックで拡大
〔画像〕目次
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳(1/6)

<監修者序 古川栄一・Ezra Solomon(別府祐弘記す)>
[E.ソロモン:財務管理論]古川栄一 監修・別府祐弘 訳:同文舘
平成13年12月25日 15版発行
PDF:[財務管理論](1-6)
[財務管理論]表紙-50
※クリックで拡大
〔画像〕[財務管理論]表紙
Ezra Solomon-20
※クリックで拡大
〔画像〕Dr.Ezra Solomon

古川栄一先生 近影-2
※クリックで拡大
〔画像〕古川栄一先生 近影

 監修者序
企業財務にかんする経営学的研究は,
経営学の領域において,
すでに早くから着手されている.
その意味で,
企業財務は経営学にとっては古い問題領域であるが,
同時に,
それはまたきわめて新しい今日の研究課題に
なっているともいうことができる.
 ―略―
[財務管理論]監修者序-1-50
※クリックで拡大
〔画像〕[財務管理論]監修者序-1

現在アメリカ斯学界の第一人者として,
ソロモン(Ezra Solomon)教授をあげることができる.

そして,
その著“The Theory of  Financial Management,1963"は,
財務管理論の近代理論を代表する画期的な著作として,
一般にも承認されているものである.

ソロモン教授は,
本書によって企業財務にかんする新しい研究方法の展開とともに,
その研究内容として資本コスト論,
調達源泉の他人資本によるレバレッジ問題,
財務目標の設定と,
財務的意思決定における不確実性の問題,
財務的動態モデルの作成など,
従来の伝統理論には見られなかった,
多くの新しい問題提示を行たっている.

それによって,
最近における財務管理の活発な研究展開の
インパクトになっていることは,
内外にひろくみとめられているところである.

本書は,このソロモン教授の財務管理論の全邦訳である.

本書は,今日および明目の企業財務研究にたいして,
これまで未開拓の新しい多くの問題を体系的にとりあげており,
企業財務の近代理論の開拓的な意義をもっている基本書である.

それだけに本書の邦訳は,
その影響するところが大きく,
邦訳者には慎重な態度が要請される.
訳者は,このことを十二分に意識して,
長年月の期間を費して,本書の邦訳に従事されており,
その成果は十分に信頼し得るものと思っている.

訳者の別府祐弘氏は,
早稲田大学政治経済学部を卒業後,
一橋大学商学研究科に進学され,
同修士課程,同博士課程を修了後,
ただちに成蹊大学講師に就任され,
現在は同大学経済学部助教授として活躍されている,
春秋に富む新進の学者である.

早稲田大学政治経済学部在学中から,
引きつづいて一橋大学商学研究科博士課程の修了にいたるまで,
わたくしが指導する経営学研究室において,
長年月にわたって経営学の研究に精進されてきた篤学の士である.

その間,ドイツの経営経済学から出発し,
さらにアメリカの経営管理学の研究を通じて,
終始一貫して経営財務の計画理論にかんする研究に専念され,
その後もこの方面の研究の進化に努力されている学者である.

この訳者の経歴からみても,
さらに長い期間にわたって
わたくしが承知している同氏の誠実さと,
研究への情熱からいっても,
この難解な本書の邦訳は正確かつ信頼しうるものと考えている.

この邦訳書が,財務管理論の代表的,
基本的な近代理論の研究書として,
わが国におけるこの方面の研究に十分に役立てられ,
その展開に貢献するよう,
切に念願してやまない.
 昭和46年10月
   古川栄一

Ezra Solomon
○スタンフォード大学経営大学院名誉教授
○ニクソン大統領の大統領経済諮問委員として
 1971年にニクソン大統領に金とドルを切り離させ、
 変動相場制への移行とデリバティブ市場の急成長への
 引き金を引いた.→資本市場のグローバルな統合化
○レーガン大統領、ブッシュ大統領の二代にわたって
 財務長官の要職を勤め、
 いわゆるレーガノミックスの立役者として、
 ブラック・マンデーその他の危機から
 資本市場と金融システムを防衛した.
 そして本書の富最大化もしくは株価最大化の理論の考え方で
 アメリカ経済を見事に建直すことに成功した.
(別府祐弘記す)
[財務管理論]監修者序-2-50
※クリックで拡大
〔画像〕[財務管理論]監修者序-2
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

記事検索
カテゴリー
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

最新コメント
アーカイブ
  • ライブドアブログ