二、派遣部隊行動ノ概要

[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑩

[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑩

第十日 自 茂山 至 羅南(七月三日 晴)
    宿營地 羅南
一、中隊ハ豫定ノ如ク 七時五十分 茂山發
  途中 小茂山ニ於テ 荷物ノ積ミ換エ等ヲ實施シ
  十五時三十分 羅南驛著 行軍ニ依リ無事 歸隊ス
  時ニ 十七時ナリ
二、十八時頃 聯隊長ノ訓示アリ
三、十八時四十分 命ニ依リ 混成中隊ノ編成ヲ解キ
  續イテ 防疫事項ヲ實施シ
  茲ニ 其任ヲ 終了セリ
四、左記規定ニ依リ 防疫ヲ實施ス
       記
    警備行軍歸還時防疫實施規定
  1. 衞生部將校ハ部隊到着時
    營庭ニ於テ防疫的問診ヲ行ヒ
    異常者ヲ區分スヘシ
  2. 歸還部隊ハ別ニ指示スル時刻ニ
    澁谷少尉ノ指示ニ基キ
    武器裝具携行品等ヲ上長官々舎ニ置キ
    煮沸消毒ニ附スルモノヲ携行シテ
    歩兵砲隊浴場ニ於テ入浴後
    更衣スヘシ
    之カ爲各所属中隊残留者ハ
    澁谷少尉ノ指示ニ基キ
    之カ準備ヲナスヘシ
1000-37
〔画像〕1000-37

  3.  歸還者全員ニ對シ二回菌檢索ヲ實施スルニ付
    六月五日及同月十二日八時迄ニ便ヲ取纏メ
    ※六月⇒七月
    原田曹長ニ交付スヘシ
    又肉眼的檢便ヲ實施ス
    其ノ細部ハ別ニ指示ス
  4.  歸還部隊營内居住者ハ
    所属中隊ニ隔離シ
    第一回菌檢索ノ成績陰性ノトキハ
    之ヲ解除ス
  5. 隔離中ハ中隊外ノ諸勤務ヲ免除シ
    炊事酒保及他中隊等ノ出入ヲ禁シ
    食餌分配食器消毒其他外部トノ連絡ハ
    中隊残留者ニ於テ擔任スヘシ
  6. 隔離中ノ入浴ハ歩兵砲隊浴場ヲ用ヒ
    其ノ間歩兵砲隊ノ入浴ハ第一大隊?
    通信隊ハ第三大隊
    聯隊通信隊ハ第二大隊ノ
    浴場ヲ使用スヘシ
  7. 隔離中隊兵舎及厠出入口ニハ
    靴底消毒盤及手洗用消毒水ヲ配置スヘシ
  8. 夏衣?襦袢袴下褌等ノ
    著裝被服ハ入浴場ニ残置シ
    澁谷少尉ノ指示
    依リ浴場ニ於テ煮沸スヘシ
  9. 水筒飯盒及喇叭ハ糧秣委員ノ指示ニ依リ煮沸スヘシ
   10. 鉄帽戰帽背嚢類ハ「フオルマリン」消毒ヲ實施スヘシ
   11. 銃ハ木製部ヲ二・五%「クレゾール」水ニテ
    擦拭シタル後
    日光消毒スヘシ
1000-38
〔画像〕1000-38
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[画像数:38]
件名標題(日本語) 2 派遣部隊の編制及行動の概要
階層 防衛省防衛研究所>陸軍一般史料>満洲>朝鮮>
   笠間史料 昭和14年度第一次警備行軍部隊行動詳報
レファレンスコード C13021441000
『国立公文書館・アジア歴史資料センター』
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[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑨

[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑨

第九日 自 興巖 至 茂山(七月二日 雨)
    宿營地 茂山
 一、中隊ハ豫定ノ如ク七時 興巖出發 途中降雨ニ逢フモ
   十三時 無事 茂山ニ到着セリ
   一同 極メテ志氣旺盛ナリ
二、十三時 同地到着ト同時ニ 左記情報ヲ知ル
      記
    匪團約二十名ハ 三長對岸 二水坪(三長北方約八粁)ヲ
    昨一日二時 襲撃 細部ハ明カナラス
三、十四時 前項匪情ト共ニ部隊ノ情况ヲ聯隊長ニ報告ス
四、十四時二十分 宿營ノ爲 左記命令ヲ下達ス
 警行命第一六號
   派遣中隊命令  七月二日十四時二十分
           於 茂山
  1. 昨一日二時 三長對岸ノ 二水坪ハ約二十名ノ
    匪團ニ襲撃セラレタルモノノ如クナルモ 詳細ナラス
  2. 中隊ハ本夜 茂山ニ宿營セントス
    宿營區分 左ノ如シ
1000-33
〔画像〕1000-33

   (1)憲兵隊道場  第一小隊及指揮班
   (2)小學校講堂  第三小隊 歩兵砲 機関銃
   (3)警察署道場  第二小隊及通信
  3. 勤労員 左ノ如シ
   (1)部隊日直將校  山内少尉
   (2)同 日直下士官 各宿舎一名
   (3)部隊衞兵    日野上等兵以下十二名
             (内 喇叭手 一ヲ含ム)
   (4)巡察將校    小田少尉
   (5)巡 察     第一 第二 第三小隊ヨリ各五
             (細部ハ別ニ示ス)
  4. 警急集合場ハ驛前廣場トス
  5. 本夜ノ糧秣ハ携行糧秣ニ依ル
    各小隊ハ直ニ受領者ヲ憲兵分遣隊前ニ差出スヘシ
  6. 予ハ 憲兵隊ニ在リ
    十六時 命令受領者ヲ同所ニ差出スヘシ
        派遣中隊長 笠間中尉
    下達法
     命令受領者ヲ集メ 口達筆記セシム
1000-34
〔画像〕1000-34

五、十六時 明三日 歸隊ノ爲 左記命令ヲ下達ス
 警行命第一七號
   派遣中隊命令  七月二日十六時
           於 茂山
  1. 匪情ニ関シテハ新情ヲ得ス
  2. 中隊ハ予定ノ行動ヲ終ヘ

    明七月三日七時五十分 茂山出發
    汽車輸送ニ依リ
    羅南ニ歸還セントス
  3. 各小隊ハ 七時二十分迄ニ 驛前廣場ニ集合スヘシ
  4. 輸送ノ爲ノ勤務員 左ノ如シ
   (1)人員搭載掛  山内少尉
   (2)荷物搭載掛  武藤少尉
   (3)馬匹搭載掛  小田少尉
   (4)兵器搭載掛  各関係小隊長
   (5)彈藥搭載掛  高橋軍曹
  各搭載掛ハ 七時三十分迄ニ 搭載ヲ完了スヘシ
  5. 予ハ 七時以後 茂山驛ニ在リ
       派遣中隊長 笠間中尉
1000-35
〔画像〕1000-35

    下達法
     命令受領者ヲ集メ 口達筆記セシム

六、十七時 一般ニ左記要旨ノ注意ヲ爲ス
  1. 彈藥ノ取扱ニ特ニ注意シ危害ヲ未然ニ防止スヘシ
  2. 各自携行彈藥ハ十八時迄ニ高橋軍曹ニ返納スヘシ
  3. 落紛失ナキ様注意ノコト
  4. 被服ヲ乾燥シ襦袢ハ全部着換ヘ感冒予防ニ注意ノコト
  5. 借用物品ノ返納及購入諸品ニ對スル支拂ヲ完全ニスルコト
  6. 敬禮ヲ嚴正ニ行フコト
  7. 水ヲ節約シ又生水ノ飲用嚴禁ノコト
  8. 暴飲暴食ヲ愼ムヘシ
  9. 警戒心ヲ弛ムヘカラス
1000-36
〔画像〕1000-36
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[画像数:38]
件名標題(日本語) 2 派遣部隊の編制及行動の概要
階層 防衛省防衛研究所>陸軍一般史料>満洲>朝鮮>
   笠間史料 昭和14年度第一次警備行軍部隊行動詳報
レファレンスコード C13021441000
『国立公文書館・アジア歴史資料センター』
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[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑧

[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑧

第八日 自 三長 至 興巖(七月一日 雨曇)
    宿營地 興巖
一、中隊ハ豫定ノ如ク
  七時 三長 出發 十六時 興巖ニ到着ス
二、九時 大西部隊ニ左記事項ヲ通報ス
  1. 農事洞??對岸ノ小匪團ハ依然
    直洞附近ニ蟠居シアルモノノ如クナルモ
    其行動ハ詳ラカナラス
    主力トノ合流ハ今尚實現セサルモノト豫想セラル
    揚匪ノ行動ニ就テハ御承知ノ如ク
    其後新報ヲ得ス
  2. 當隊ハ三日朝迄 茂山間ニ在ノ豫定
三、十七時 同所駐在所ニ於テ左記要旨ノ情報ヲ収集セリ
        記
  1. 六月二十日二十二時三十分頃
    系統不明ノ約二百名ノ
    匪團(軽機一二挺各自小銃携行)ハ
    延吉縣天寶山金鑛大同部落ヲ襲撃シ
    同鑛山建物並警察官駐在所ヲ全焼セシメ
    食糧其他物資多数ヲ掠奪シ
    部落民ヲ拉致 之ヲ携行セシメ
    翌日七月一日四時 部隊ヲ集結
    悠々南下移動セリト
  2. 之カ匪賊ノ 討伐ノ爲
    三道溝ニ待機中ノ大西部隊二四〇名及滿軍二〇〇
    滿警二〇〇ハ直ニ出動討伐中ナリト
四、十六時 本夜ノ宿營及 明日ノ出發ノ爲
  左記命令ヲ下達ス
1000-30
〔画像〕1000-30

 警行命第一四號
   派遣中隊命令  七月一日 十六時
           於 興巖
  1. 匪情ニ関シテハ天寶山襲撃匪團ノ外 新報ヲ得ス
  2. 中隊ハ本夜 興巖ニ宿營セントス
  3. 各小隊ハ別ニ示ス處ニ依リ 夫々就宿スヘシ
  4. 勤労員 左ノ如シ
   (イ)部隊日直將校 三枝准尉
   (ロ)部隊衞兵   及川上等兵以下一二名
            (内 喇叭手一含ム)
   (ハ)巡察將校   武藤少尉
  5. 警急集合場ハ興巖橋梁南方廣場トス
  6. 本夜ノ糧秣ハ携行糧秣ニ依ル
    即刻受領者ヲ差出スヘシ
  7. 予ハ 崔文衡方ニ在リ
       派遣中隊長 笠間中尉
    下達法 口達筆記セシム
 警行命第一五號
   派遣中隊命令  七月一日 十六時三十分
           於 興巖
1000-31
〔画像〕1000-31

  1. 匪情ニ関シテハ其後 新情ヲ得ス
  2. 中隊ハ明二日七時
    興巖洞 出發 茂山ニ向ヒ行軍ス
  3. 各小隊ハ六時五十分迄ニ
    興巖橋南方路上ニ 左ノ如ク集合スヘシ
    ※図 略
  4. 小松曹長ハ指揮班ノ兵三名ヲ率イ 先發シ
    茂山ノ設營ニ任スヘシ
    細部ハ別ニ示ス
  5. 予ハ 中隊主力ノ前方ヲ前進ス
       派遣中隊長 笠間中尉
    下達法 口達筆記セシム

五、二十時 前項情報ヲ聯隊長ニ報告ス
1000-32
〔画像〕1000-32
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[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑦

[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑦

第七日 自 農事洞 至 三長(六月三十日 晴)
    宿營地 三長
 一、七時 豫定ノ如ク行動ヲ開始シ
   十五時無事 三長ニ到着
   同地ニ宿營スルニ決シ 左記命令ヲ下達ス
 警行命第一二號
   派遣中隊命令  六月三十日十五時
           於 三長
  1. 匪情ニ関シテハ新情ヲ得ス
  2. 中隊ハ本夜 三長ニ宿營セントス
  3. 各隊ハ生田准尉ノ指示ニ基キ就宿スヘシ
  4. 勤務員 左ノ如シ
   (イ)部隊日直將校 生田准尉
   (ロ)部隊衞兵   飯島上等兵以下十二名
   (ロ)巡察將校   小川准尉
   (ハ)巡 察    第一第三小隊ノ各一分隊
            (行動ハ別ニ示ス)
  5 警急集合場ハ町内中央廣場トス
  6. 本夜ノ給養ハ携行糧秣ニ依ル
    即刻受領者ヲ差出スヘシ
1000-27
〔画像〕1000-27

  7. 予ハ 町内中央 金活楨方ニ在リ
       派遣中隊長 笠間中尉
    下達法
     命令受領者ヲ集メ 口達筆記セシム
二、十六時 三長警察署ニ小隊長以上集合
  情報ノ蒐集ニ努メタルモ新情ヲ得サルヲ以テ
  明一日 三長ヲ出發スルニ決シ
  十七時 左記命令ヲ下達ス
 警行命第一三號
   派遣中隊命令  六月三十日十八時
           於 三長
  1. 匪情ニ関シテハ既ニ承知ノ通リ
  2. 中隊ハ明七月一日 七時 三長 出發
    興巖ニ向ヒ行軍ヲ實施セントス
  3. 各小隊ハ三長橋西端ヲ先頭ニ 六時五十分迄ニ
    左ノ如ク集合スヘシ
     ※図 略
1000-28
〔画像〕1000-28

  4. 上木曹長ハ糧秣輸送ニ関シ區處スヘシ
  5. 小川准尉ハ兵五名ヲ指揮シ
    輸送ノ爲ノ警戒ヲ兼ネ 茂山ニ先行シ
    鉄道輸送ニ関シ處理スヘシ
    細部ニ関シテハ別ニ指示ス
  6. 予ハ 中隊主力ノ前方ヲ行進ス
       派遣中隊長 笠間中尉
    下達法
     命令受領者ヲ集メ 口達筆記セシム
1000-29
〔画像〕1000-29
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[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑥

[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑥

第五日 農事洞⇒柳谷洞間(六月二十八日 雨)
    農事洞⇒三水坪間
    宿營地 農事洞
一、八時 中隊ハ予定ノ如ク集合シ
  先ツ山内少尉ハ軌道車ヲ利用シ柳谷洞ニ向ヒ前進
  次テ中隊主力モ 三水坪ニ向ヒ 行軍ヲ開始ス
  降雨ナレト 一同ノ志氣 極メテ旺盛ナリ
二、山内少尉ハ 元四洞ニ於テ 中隊主力ニ第一回ノ連絡ヲ爲シ
  次テ 柳谷洞ニ向ヒ前進シ 豫定ノ行軍ヲ終ヘ
  十七時三十分 農事洞ニ無事歸還スルモ
  匪情ニ関シ 新情ヲ得ス
三、中隊主力ハ途中 紅巖西北方約三粁附近ニ於テ
  焚火ヲ爲ス 三名ヲ目撃シ 三水及紅巖駐在署ニ連絡
  之ヲ調査セルモ良民ナル事 判明セルヲ以テ
  依然行軍ヲ續行 十三時 目的地ニ達シ
  同地附近ヲ捜査セルモ異狀ヲ認メサルヲ以テ
  十四時三十分 同地出發
  十九時 無事農事洞ニ歸還セリ
  其 行軍経路 附圖第一ノ如シ
四、此日 匪情ニ関シテハ何等新情ヲ得サルモ
  三長警察隊主力ノ行動ハ明カトナリ
  今明日中ニ 三長ニ歸還ノ豫定ナルヲ知ル
1000-22
〔画像〕1000-22

第六日 農事洞附近(六月二十九日 曇)
    宿營地 農事洞
一、七時 戰闘射撃實施ノ爲 左記命令ヲ下達ス
 警行命第一一號
   派遣中隊命令  六月二十九日七時
           於 農事洞
  1. 匪情ニ関シテハ新情ヲ得ス
    三長警察隊ノ主力ハ三長ニ歸還セリ
  2. 中隊ハ本日 重火器ノ戰闘射撃ヲ實施セントス
    射撃開始ハ 十一時ト豫定スルモ 別命ス
  3. 小田少尉ハ豫テ準備セル所ニ依リ
    聯隊砲ノ射撃ニ関シ 計畫實施スヘシ
  4. 西川少尉ハ機関銃ノ射撃ニ関シ 計畫實施スヘシ
  5. 示?標ニ変フルニ 日ノ丸二本ヲ植立スヘシ
    又 射向ハ 滿領 直洞方向トシ
    細部ハ現地ニ於テ指示ス
  6. 射撃實施以外ノ部隊ハ 十時三十分迄ニ
    駐在所前ニ集合シ 之ヲ
1000-23
〔画像〕1000-23

    見學スヘシ
   7. 予ハ 八時以降 駐在所前ニ在リ
        派遣隊長 笠間中尉
     下達法
      命令受領者ヲ集メ 口達筆記セシム

二、諸情報ヲ綜合スルニ
  農事洞及三長對岸ニ近ク蠢動スル匪賊ハ
  其兵力約三十名内外ニシテ
  警察力ヲ以テ 十分之カ鎭壓及鮮内ノ治安維持ヲ爲シ得ルヲ
  認メタルヲ以テ 豫定ノ如ク 明三十日 當地出發
  歸還ノ途ニ就クニ決シ 左記命令ヲ下達セリ
 警行命第一二號
   派遣中隊命令  六月二十九日二十一時
           於 農事洞
  1. 匪情ニ関シテハ新情ヲ得ス
  2. 中隊ハ明三十日七時 農事洞 出發
    三長ニ向ヒ行軍ヲ實施セントス
  3. 各小隊ハ 六時五十分迄ニ農事洞 東端ヲ先頭ニ
    路上縦隊ニ左ノ
1000-24
〔画像〕1000-24

    如ク集合スヘシ
     ※図 略
  4. 小川准尉ハ第一第二小隊ノ兵 各三名ヲ指揮シ
    輸送荷物ノ警戒ニ任スヘシ
    行動ノ細部ニ関シテハ別命ス
  5. 予ハ 六時三十分以後 農事洞 東端ニ在リ
    第二小隊ノ前方ヲ前進ス
        派遣隊長 笠間中尉
     下達法
      命令受領者ヲ集メ 口達筆記セシム
三、二十三時頃 三道溝 大西部隊長ヨリ
  農事洞駐在所ヲ経テ 左記要旨ノ電話アリ
        記
    金日成匪ノ主力ノ行動ハ其後不明ニシテ
    萬一ノ場合ヲ考慮スル
1000-25
〔画像〕1000-25

    時ハ 農事對岸方面ニ移動スルヤモ知レス
    目下ニ於ケル農事方面ノ情况ヲ通報セラレ度
  トノ連絡アリタルヲ以テ
  當方面ノ匪情ハ其後変化ナキモノノ如シト
  回答セリ
1000-26
〔画像〕1000-26
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[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑤

[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行⑤

第三日 自 三長 至 農事洞(六月二十六日 雨)
    宿營地 農事洞
 一、八時 中隊主力ハ予定ノ如ク農事洞ニ向ヒ
   行軍ヲ開始シ 途中降雨ニ逢フモ
   將兵ノ志氣 益々旺盛ニシテ何等事故ナク
   十六時 農事洞ニ到着
 二、十六時三十分 左記宿營命令ヲ下達シ 夫々就宿セシム
 警行命第九號
   派遣中隊命令  六月二十六日十六時三十分
           於 農事洞
  1. 匪情ニ関シテハ既ニ承知ノ如ク
    前ノ高地附近ニハ時々出没スルモノノ如ク
    金平ノ指揮スル約三十名ノ匪團ハ
    前ノ高地ノ北側谷地附近ニ蠢動スルモノノ如シ
    當地警察隊ハ目下越境討伐中ナリ
  2. 中隊ハ當分當地ニ村落露營ヲ實施ス
  3. 吉田上等兵ハ部下分隊(長以下十二名)ヲ以テ
    後刻示ス地點ニ位置シ警戒ニ任スヘシ 細部ハ別ニ示ス
1000-16
〔画像〕1000-16

  4. 三枝准尉ハ吉田分隊⇒駐在所間ニ電話網ヲ構成スヘシ
  5. 爾餘ノ部隊ハ小川准尉ノ指示ニ基キ就宿スヘシ
  6. 勤務員 左ノ如シ
   (イ)部隊日直將校 小川准尉
   (ロ)巡察將校   小松曹長
   (ハ)巡 察    第一第二小隊ヨリ各一分隊
            (行動ノ細部ハ別ニ示ス)
  7. 高橋軍曹ハ吉田分隊後方ノ家屋ニ彈藥ヲ集積スヘシ
  8. 警急集合場ハ本道上
  9. 予ハ 崔鎭中方ニ在リ
       派遣中隊長 笠間中尉
    下達法
     曹長以上集メ 口達ス
 三、十七時 小隊長及指揮班幹部ヲ集メ 同地附近ノ地形
   特ニ匪團來襲時ノ處置等ニ関シ 指示ヲ爲ス
 四、十八時 小川准尉ヲ駐在所ニ派遣シ
   情報ノ蒐集ニ努メシメタルモ 新報ヲ得ス
1000-17
〔画像〕1000-17

第四日 農事洞附近(六月二十七日 小雨アリ)
    宿營地 農事洞
 一、五時中隊ハ夜間ノ警戒ヨリ晝間ノ警戒配備ニ移更シ
   一部ヲ以テ展望哨及單哨ヲ配置シ 直接ノ警戒ニ任シ
   爾餘ノ主力ハ武器被服ノ手入ヲ實施セシム
 二、九時ヨリ十五時ノ間ニ農事洞駐在所ノ通報及
   三長 生田准尉ノ報告ニ依リ 左記情報ヲ知ル
           記
   1. 二十六日十五時ヨリ行動ヲ開始
     二隊トナリ討伐ニ越境セル
     三長警察隊ノ一部 農事駐在署員十八名ハ
     同日十八時四十分頃
     ⦿一二五〇(農事洞東北方約八粁附近)ニ於テ
     約三十名ノ匪團ト遭遇交戰シ
     敵ニ相當ノ損害ヲ與ヘタルモノノ如クナルモ
     詳細不明 本戰闘ニ於テ同署員二名負傷ス
     又 主力タル三長警察署長以下(四九名)ハ同シク
     ⦿一二五〇高地方向ニ向ヒタルモ
     其後ノ行動詳カナラス
     而シテ 右負傷者ハ二名 三長ニ護送セリト
   2. 十五時頃 三長署長ノ率ユル主力タル警察隊ハ
     直洞(農事東北方約九粁)附近ニ於テ
     十数名ノ匪團ト遭遇交戰シ
     之ニ相當ノ損害ヲ與ヘタルモ 詳
1000-18
〔画像〕1000-18

     細不明ニシテ
     同署員一名胸部ヲ盲貫ノ負傷セリト
 三、右警察官ノ負傷ヲ知リタルヲ以テ
   十五時頃
   三長署ニハ生田准尉ヲ
   農事署ニハ小川准尉ヲシテ
   夫々見舞セシム
 四、十五時 明二十八日 行軍實施ノ爲 左記命令ヲ下達セリ
 警行命第一〇號

   派遣中隊命令  六月二十七日十五時
           於 農事洞
   1. 對岸近ク蠢動スル匪團 約三十名ハ
     昨二十六日以來
     我カ警察隊ト二回ニ亘リ遭遇交戰セルモ
     今尚撃滅スルニ至ラス
     又 一昨二五日
     甑山(鮮内地ニシテ農事洞西南約十二粁)ニ
     三名ノ匪賊現レ 鮮人人夫一名ヲ立木ニ縛著
     農事方面ニ遁走セルモ其後ノ情况不明ナリ
   2. 中隊ハ明二十八日 主力ヲ以テ
     三水坪一部ヲ以テ 柳谷洞附近ニ行軍ヲ實施セントス
   3. 山内少尉ハ部下小隊(一分ヲ欠キ 無線一ヲ屬ス)ヲ率ヒ
     農事洞⇒元四洞⇒柳谷洞間ノ行軍ヲ實施スヘシ
     但シ 元四洞西南約八粁ノ間ハ軌道車ヲ
1000-19
〔画像〕1000-19

     利用スヘシ
     其他細部ハ別ニ示ス
   4. 小田少尉ハ部下
     歩兵砲小隊及歩兵一分隊ヲ併セ指揮シ
     農事洞ニ駐留シ
     同地ノ直接警備及情報ノ蒐集ニ努ムヘシ
   5. 爾餘ノ中隊主力ハ 左ノ如ク
     七時迄ニ駐在署前ヲ先頭ニ集合スヘシ
     ※図 略
   6. 服裝及携行品
    (イ)服裝
       軍裝ニシテ背嚢ヲ除キ地下足袋穿用
    (ロ)携行品
       一、彈藥
         小銃 各人  六〇發
         輕機 各銃 三〇〇發
         □  各筒   四發
         機関銃各銃  二四連
       二、糧秣
         二食物ノ携帯糧秣及小夜食
1000-20
〔画像〕1000-20
  7. 予ハ 七時 駐在署前ニ在リ
       派遣中隊長 笠間中尉
    下達法
     命令受領者ヲ集メ 口達筆記セシム
 五、二十時頃 廣坪(農事西方約二粁)東北方高地ニ
   炊煙ト思ハルルモノ 立昇ルトノ
   警戒兵ノ報告ニ接セルヲ以テ
   第一隊ニ警急集合ヲ命シ
   自ラ之ヲ率ヒ捜索セルモ
   霧深ク不明ナルヲ以テ
   二十四時 宿營地ニ歸還セリ
1000-21
〔画像〕1000-21
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[画像数:38]
件名標題(日本語) 2 派遣部隊の編制及行動の概要
階層 防衛省防衛研究所>陸軍一般史料>満洲>朝鮮>
   笠間史料 昭和14年度第一次警備行軍部隊行動詳報
レファレンスコード C13021441000
『国立公文書館・アジア歴史資料センター』
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[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行④

[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行④

 警行命第八號 p12/38
   派遣中隊命令  六月二十五日十九時
           於 三長
1. 匪情ニ関シテハ既ニ承知ノ通リ
2. 中隊ハ一部ヲ三長ニ殘置シ主力ハ
  明二十六日八時 三長出發
  農事洞ニ向ヒ前進セントス
3. 生田准尉ハ部下小隊(無線一分隊ヲ屬ス)ヲ以テ
  舊三長守備隊ニ駐留シ
  同地附近ノ警戒竝治安ノ維持ニ任スヘシ
  行動ノ細部ハ別命ス
4. 爾余ノ主力ハ八時迄ニ 三長西端ヲ先頭トシ
  路上縦隊ニ集合スヘシ
5. 行軍序列 左ノ如シ
  ―略―
6. 上木主計曹長ハ第一小隊ノ兵五名ヲ區處シ
  糧秣ノ輸送ニ任スヘシ
  細部ニ関シテハ別ニ示ス
1000-12
〔画像〕1000-12

7. 予ハ 中隊主力ノ前方ヲ行進ス
        派遣中隊長 笠間中尉
    下達法
      命令受領者ヲ集メ 口達筆記セシム

七、右命令下達後 一般ニ左記注意ヲ爲ス
 1. 軍紀風紀ヲ特ニ至嚴ニスヘシ
 2. 匪團ハ三長近郊ニ出没シアル現况ナルヲ以テ
   警戒心ヲ益々旺盛ニスヘシ
 3. 彈藥ノ取扱上特ニ眞管類及浸濕セル彈藥等ヲ
   直接火ニ當テ乾燥セサルコト
 4. 感冒予防及寝冷ニ注意セヨ
 5. 被服乾燥セハ巻脚絆ヲ穿用スヘシ
 6. 靴傷予防上 明日ノ行軍ニハ地下足袋ノ穿用ヲ許ス

八、二十時 三長殘置隊長タル生田准尉ニ
  左ノ如キ行動ノ憑據ヲ内示ス
   生田准尉ニ與フル内示
 1. 自衞ノ爲 又ハ不期ニ
   匪團ニ遭遇スルニ在ラサル場合ノ外
   計画的ナル匪團
1000-13
〔画像〕1000-13

   トノ交戰ニ関シテハ
   中隊長ノ指示ヲ受クヘシ
   但シ常ニ捜索偵諜警戒ヲ周密ニシ
   事前ニ敵ノ行動ヲ看破シ彼ニ先チ
   其ノ機先ヲ制スルノ著意ヲ最モ緊要トス
   苟モ彼ニ乗セラルルカ如キコト
   断シテ アルヘカラス
   之カ爲 著意事項 左ノ如シ
  (1)一度戰闘ヲ決心スルトキハ断乎トシテ
     徹底的ニ膺懲シ
     遲疑逡巡スルカ如キコトアルヘカラス
  (2)兵力ヲ分散スヘカラス
     之カ爲 小数ノ兵力ヲ遠ク離隔シテ派遣シ
     又ハ 警戒勤務ニ服セシメサルコト
  (3)任務達成ノ爲 小隊長以下
     地方官憲ト圓滿妥當ナル協調ヲ保ツコト
 2. 警戒ノ基礎 左ノ如シ
  (1)晝間
     イ、主トシテ展望哨(長以下四名)
     ロ、適宜巡察ヲ派遣
     ハ、行軍ハ三長ヲ中心トシ鮮内地ヲ三里以内トス
  (2)夜間
     イ、衞兵(長以下七名)
     ロ、斥候(長以下六名以上)
1000-14
〔画像〕1000-14

     ハ、巡察(長以下四名以上ヲ適宜派遣)
     ニ、不寝番ハ二名以上
  (3)薄暮及黎明
     イ、炊煙露營火火尖ニ依ル捜索ニ著意シ
       專任者ヲ指定シテ監視
  (4)其他ハ示セル区分ニ依ル
1000-15
〔画像〕1000-15
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件名標題(日本語) 2 派遣部隊の編制及行動の概要
階層 防衛省防衛研究所>陸軍一般史料>満洲>朝鮮>
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[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行③

[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行③

第二日 自 茂山 至 三長(六月二十五日 雨)
    宿營地 三長
 一、六時 警行命第六號ノ如ク出發準備ヲ完了ス
   同時在茂中ノ大隊長 於保少佐ヨリ
   左記要旨ノ注意ヲ受ケ
   勇躍六時十分 茂山ヲ出發ス
  1. 屯營出發前ニ與ヘタル注意ニ基キ
    困苦缺乏ニ堪エ行軍ノ目的ヲ達成セヨ
  2. 行軍宿營間ニ於テ特ニ彈藥ノ取扱ニ注意セヨ
 二、途中豪雨ニ逢フモ將兵ノ志氣益々旺盛ニシテ
   依然行進ヲ續行ス
 三、十三時 古寺德山(興巖西方約二粁ニシテ
            故佐藤中尉以下四名殉職ノ地)
   北側ニ於テ自動貨車 八輛ニ分乗セル
   大西部隊主力ニ邂逅シ情報ノ交換ヲ遂ケタルモ
   既ニ承知セルモノノ外 新報ヲ得ス
   而シテ同部隊ハ 二縦隊トナリ
   其一部ハ三長附近ヨリ對岸ニ渡河シ
   紅旗河以東地區ヲ其主力ハ茂山附近ヨリ
   豆滿江ヲ渡河シ
   何レモ金日成ノ主力ヲ追撃スヘク
1000-09
〔画像〕1000-09

   行動中ナルヲ知ル
   茲ニ於テ互ニ成功ヲ祈リツツ惜別ス
四、十七時三十分
  人馬異狀ナク三長ニ到着 左記宿營命令ヲ下達ス
   警行命第七號
     派遣中隊命令
     六月二十五日十七時三十分
     於 三長
  1. 匪情ニ関シテハ新報ヲ得ス
    大西部隊ハ金日成匪ノ主力ヲ追ヒ
    三道溝方面ニ轉進ス
  2. 中隊ハ本夜 三長ニ宿營セントス
  3. 勤務員 左ノ如シ
   (1)部隊日直將校 生田准尉
   (2)巡察將校   西川少尉
   (3)部隊衞兵   三塚上等兵以下十二名
            (内 喇叭手 一ヲ含ム)
   (4)巡 察    各歩兵小隊ヨリ各一分隊
            (時刻行動區域ハ別命ス)
  4. 各小隊 生田准尉ノ指示ニ基キ舎營スヘシ
  5. 戰備ノ度ニ関シテハ不寝番ヲ二名トスル外前夜ト同シ
1000-10
〔画像〕1000-10

  6. 警急集合場ハ町内中央廣場トス
    各小隊毎ニ集合スヘシ
  7. 本夜ノ給養ハ携行糧秣ニ依ル
    即刻受領者ヲ現在地ニ差出スヘシ
  8. 日課時限ハ營内ノモノニ同シ
  9. 予ハ 二十時迄 警察署後 渡辺方ニ在リ
    十九時 命令受領者ヲ警察署前ニ差出スヘシ
        派遣中隊長 笠間中尉
    下達法 口達筆記セシム

五、十八時ヨリ約一時間ニ亘リ曹長以上警察署ニ集合シ
  同署員ト情報會議ヲ開催シ情報ノ交換ヲ爲シ
  匪團ノ侵襲狀况ヲ詳細ニ知ルヲ得タリ
  其概要 附錄第一ノ如シ
六、十九時 中隊長ハ三長ニ一部ヲ殘置シ
  同地附近ノ警備竝治安維持ニ任セシメ
  主力ハ依然 明二十六日 農事洞ニ向ヒ前進スルニ決シ
  左記 命令ヲ下達ス
        記
1000-11
〔画像〕1000-11
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[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行②

[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行②

 (五)戰備ノ度 左ノ如シ
   (1)各宿舎ハ少クモ一名ノ不寝番ヲ設クヘシ
   (2)一般ニ巻脚絆ヲ穿用
   (3)衞兵ハ三分ノ一ノ假眠ヲ許ス
 (六)警急集合場ハ驛前廣場トス
    各分隊毎ニ集合スヘシ
 (七)本夜ノ給養ハ舎主ノ供撰ニ依ル
 (八)日課時限ハ營内ノモノニ同シ
 (九)予ハ 二十二時迄憲兵隊ニ 爾後倶樂部ニ在リ
    二十時 命令受領者ヲ憲兵隊ニ差出スヘシ
        派遣中隊長 笠間中尉
    下達法
     関係者ヲ集メ 口達筆記セシム
1000-06
〔画像〕1000-06

七、前記命令下達後 茂山憲兵分遣隊ニ小隊長以上ヲ集合セシメ
  初鹿憲兵軍曹ヨリ管内一般ノ狀况
  特ニ匪團ノ情况ニ就キ説明ヲ求メ
  之ヲ聴取セシムルト共ニ
  曩に於保少佐ヨリ知得セル情報トヲ綜合シ
  左ノ狀况ヲ知ル
  1. 五月中旬以来
    鮮内ノ一部及對岸滿領内ヲ襲撃セル匪團ハ
    金日成ノ率ユル約二百名内外ニシテ
    LG約九銃、長銃、拳銃ヲ以テ裝備セラレ
    彈藥モ相當豊富ナルモノノ如ク
    而シテ其主力ハ三道溝西方山地方向ニ
    遁入セルモノノ如クナルモ
    其一部約三十名ハ依然
    三長対岸近クノ滿領内ニ蠢動シアルモノノ如シ
  2. 関東軍大西部隊(約二百五十名)ハ目下
    三長附近ニ駐留シアルモ
    明二十五日 三道溝方面ニ行動ヲ開始スル予定ナリト
  3. 三長警察署管内ニハ約二百名内外ノ警察官在リテ
    鮮内及対岸ノ警備ニ任シアリト
八、二十時 明二十五日 行軍ノ爲
  左記 警行命第六號ヲ下達ス
   警行命第六號
     派遣中隊命令
     六月二十五日二十時 ※二十四日?
     於 茂山
(一)匪情及大西部隊ノ狀况ニ関シテハ既ニ承知ノ通リ
1000-07
〔画像〕1000-07

(二)中隊ハ明二十五日六時 茂山出發
   新道ヲ三長ニ向ヒ前進セントス
(三)各小隊ハ五時五十分迄ニ
   茂山驛前十字路ヲ中隊主力ノ先頭トシ
   路上ニ左ノ如ク集合スヘシ
   ※図 略
(四)高橋軍曹ハ別ニ示ス區分ニ基キ出發迄ニ
   彈藥ノ交付ヲ完了スヘシ
(五)第三小隊長ハ部下一分隊ヲ以テ
   糧秣輸送ノ警戒ニ任スヘシ
   行動ノ細部ハ別ニ示ス
(六)上木主計曹長ハ携行糧秣ノ區分ヲ爲シタル後
   第三小隊長ノ指揮ヲ以テ中隊主力ニ追及スヘシ
(七)予ハ 中隊主力ノ前方ヲ行進ス
      派遣中隊長 笠間中尉
   下達法 命令受領者及関係下士官以上ヲ集メ
       口達筆記セシム
1000-08
〔画像〕1000-08
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件名標題(日本語) 2 派遣部隊の編制及行動の概要
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[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行①

[笠間史料]二、派遣部隊行動ノ概要:陸軍歩兵中尉 笠間哲行①

二、派遣部隊行動ノ概要 p1/38
1000-01
〔画像〕1000-01

(一)派遣部隊ノ編成左ノ如シ p2/38
   茂山方面警備行軍部隊人員編成表
        派遣中隊長 笠間中尉
   ―略―
1000-02
〔画像〕1000-02

 茂山方面警備行軍部隊將校職員表 p3/38
隊   號 職   官 官  等 氏  名
中   隊 中 隊 長 歩兵中尉 笠間哲行
      第一小隊長 歩兵少尉 山内忠温
      第二小隊長 歩兵少尉 武藤 章
      第三小隊長 歩兵准尉 生田新市
機関銃小隊 小 隊 長 歩兵少尉 西川義弘
歩兵砲小隊 小 隊 長 歩兵少尉 小田徳明
通信 小隊 小 隊 長 歩兵准尉 三枝高保
鳩 分 隊 分 隊 長 歩兵軍曹 中村富治
1000-03
〔画像〕1000-03

(二)行動ノ概要 p4/38
 一、派遣間ニ於ケル行動ノ概要附圖ノ如シ
 二、各自ノ行動左ノ如シ

第一日 自 羅南 至 茂山(六月二十四日 小雨アリ)
    宿營地 茂山
 一、六時 營庭式台前ニ整列
   同六時三十分 聯隊長ノ軍容檢査アリ
 二、六時三十五分 營門出發 羅南驛ニ向ヒ前進ス
   一同志氣益々旺盛ナリ
 三、七時五十分 左ノ如ク乗車ヲ完了
   第一車輌 (客  車) MG小隊 LA小隊 ITL小隊
   第二車輌 (客  車) 七中隊主力
   第三車両 (有蓋貨車) 七中隊ノ一ヶ小隊及糧秣
   第四車輌 (有蓋貨車) 馬匹(十三頭)
        (有蓋貨車) 彈藥
 四、八時五分 羅南驛發 茂山ニ向フ
   途中 小茂山ニ於テ晝食
   同地 國防婦人會員十数名ヨリ湯茶ノ接待ヲ受ク
 五、十八時 人馬其他異狀ナク茂山驛ニ到着
   當時 在茂中ノ 大隊長 於保少佐
   及 地方官民約三十名ノ出迎ヲ受ケ
   又 於保少佐ヨリ對岸及
1000-04
〔画像〕1000-04

   鮮内ノ情况 特ニ匪情ニ関スル情報ヲ知得セリ
 六、十八時三十分 左記警行命第五號ヲ下達シタル後
   設營者ノ指示ニ基キ夫々就宿セシム
   警行命第五號
     派遣中隊命令
     六月二十四日十八時三十分
     於 茂山
 (一)金日成匪ノ主力約百六、七十名ハ
    三道溝方面ニ遁走セルモノノ如ク
    尚其一部約三十名ハ三長對岸近クニ蠢動シ在リ
    関東軍ノ大西部隊(大西大佐ヲ長トセル約二百五十名)ハ
    目下 三長附近ニ駐留シ匪團ノ情况ヲ捜索スルト共ニ
    同地附近ノ治安ノ維持ニ任シツツアリ
 (二)中隊ハ本夜茂山ニ宿營セントス
 (三)勤務員 左ノ如シ
    1. 部隊日直將校    山内少尉
    2. 巡察將校(下士官) 小松曹長
    3. 部隊衞兵      小野上等兵 以下十二名
               (内 喇叭手 一ヲ含ム)
    4. 巡 察       第一第二小隊ヨリ某分隊 各一
               (時刻及行動区域ハ別ニ示ス)
 (四)各小隊ハ設營者ノ指示ニ基キ舎營スヘシ
1000-05
〔画像〕1000-05
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件名標題(日本語) 2 派遣部隊の編制及行動の概要
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