[笠間史料]三、行軍地方一般ノ狀况⑤
其二、豆滿江上流住民ノ動靜及警備ノ狀况 p14/17
1. 住民ノ動靜
豆滿江ノ一葦帶水ヲ以テスル
豆滿江上流鮮滿國境ハ増水ノ場合ノ外
到ル處 徒渉容易ニシテ
近年 北鮮製紙會社・材木伐採並ニ
之ニ伴フ 各種施設
特ニ 豆滿江岸ニ副フ 國境道路ノ開設
茂山鉄山ノ開發等ニテ
鮮人ノ移住多ク
金融機関モ比較的良好ナルモノノ如ク
又 内地人ノ往来モ
其 豊富ナル資源ト治安ノ維持トニ伴ヒ
頻繁ヲ極メントスル傾向ニアリタルモ
本年五月下旬以來ノ匪賊ノ來襲等ニ依リ
三長以西ニ於テハ相當ノ打撃ヲ受ケタルモノノ如ク
特ニ 各種事業經營者ニ於テ甚シ
而シテ 事業関係者以外ニ於テ
一部ノ住民中ニハ 匪襲恐ルルニ足ラス
匪團ハ抵抗サヘセサレハ生命ヲ奪フモノニアラスト
轉々ト其職場ヲ變更スル
所謂 旅烏式ノモノアリテ
之等ニ對シ
指導ヲ要スルモノナシトセス
一般ニ住民ノ軍紀ニ對スル信頼ハ大ニシテ
行軍間軍隊ノ宿營ヲ衷心ヨリ希望スルモノ等
其一例ナリ
2. 官民警備ノ狀况 p15/17
(1)警察官
近來 警察官ハ増員セラレ
三長警察署管内ノミミテモ
二百名内外ノ人員ニシテ
一般警察官ノ業務ニ服スルモノト
討伐或ハ警備等ニ專念スル警察隊トニ區分サレ
其 裝備モ輕機擲彈筒(軽擲)等ヲ有シ
且 人員ノ選定ニ方リテモ
兵役関係者ヲ多ク
役者ニ充當セラレアルヲ以テ
相當 警備力アリ
又 一般ニ眞執ニ服務シアルカ如シ
(2)地方側警備機関
(イ)自衞團ノ狀况
昭和十二年初夏 匪團來襲以來
當方面ニ派遣セラレタル
軍部指導ノ下ニ
部落民ヲ以テ編成セルモノニシテ
自發的ニ夜間 其 部落直接ノ警戒ニ任シ
目下 何レモ極メテ眞執ナルモ
兵器ヲ存セス
單ニ見張ニ止リ幼稚ノ域ヲ脱セス
(ロ)自警團ノ狀况
昭和十二年五月 豆滿江上流地區ニ
匪團來襲以來
北鮮製紙會社ニ於テ雇傭セルモノノニシテ
鈴木予備少尉以下十余名ノ
在郷軍人ヲ以テ編成シ
何レモ 小銃ヲ有シ
比較的優秀ニシテ
目下 三水坪(農事洞上流約四里)ヲ定位置トシ
〔画像〕1100-16⇒〔画像〕1100-14と同一
〔画像〕1100-17⇒〔画像〕1100-15と同一
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[画像数:17]
件名標題(日本語) 3 行軍地方一般の状況
階層 防衛省防衛研究所>陸軍一般史料>満洲>朝鮮>
笠間史料 昭和14年度第一次警備行軍部隊行動詳報
レファレンスコード C13021441100
『国立公文書館・アジア歴史資料センター』
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