初めて小野梓を知る[壬午銀行]【大隈侯昔日譚】大正11年
【大隈侯昔日譚】大正11年
大隈侯昔日譚 p29/289
報知新聞記者 松枝保二編
一 征韓論破裂の後
―略―
三六 小野梓と山田一郎 p167-172/289
上
=初めて小野梓を知る=
[壬午銀行] p170/289
又銀行の話しはこれは
壬午銀行と云つて矢張り小野が創め、
炭礦事業も小野の手だが、
これ等は皆失敗した。
殘るは報知新聞と早稻田大學だけで、
然も小野は天壽を籍さず、
將來爲すあるの士にして、
不幸夭折して了つた。
人材少なきの時代とて、
我輩は大切な友人として、
且つ學校の恩人として、
兩腕を取られたよりも悲しく思つたんである。
然し梓の殘した精神は千古不滅である。
憲政上に、敎育上に彼れが殘した餘風は
必ずや永遠に傳へらるゝであらうと信ずる。
此梓の精神、血を受けたる此學校の出身者は、
此學校の創立者であり恩人であり、
且つ社會の先覺者たりし梓の素志を繼いで、
其花を實とを完ふせしめねば不可ぬと思ふんである。
『最後の筆錄』を抱いて p278/289
=巨人『永劫の記念』=
―略―
大正十一年三月廿七日印刷
大正十一年三月三十日發行
定 價 參圓
編 者 松枝保二
發行者 廣瀬憙六
東京市麴町區有樂町貮丁目壹番地
印刷者 畑竹次郎
東京市神田區鎌倉町三番地
印刷所 博信堂
東京市神田區鎌倉町三番地
發行所 報知新聞社出版部
東京市麴町區有樂町貮丁目壹番地
振替 東京四二〇六五番
電話 丸之内 自五〇至五四番
【 】『国立国会図書館デジタルコレクション』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇